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#8 「好きなテイストの服を振り返る事」


振り返り。
自分の服作りの始まりは学生時代。
もしかすると他の方達よりも遅くて本格的にというか、しっかりとした「学び」として始めたのは専門学校に入ってからという事になります。

早い人だったら高校の服飾科とかを専攻して経験を積んで行ったり
もっと早い人なら周りの影響や環境で小さな頃から手に触れていた人もいるんだと思う。

なので自分がその専門に入りたての頃はそういった人達との差と言いますか、
「出遅れている」というのを肌で感じて凄く焦ったしちょっとした劣等感の様な物が混じった悔しさみたいなモノも感じていたのかもしれない。。。

もちろん、ライバルだなんておこがましくて
むしろ目標にさせてもらった部分の方が大きくて
追いつきたいという向上心と
知識も経験も浅かった自分にイライラする、、、
という2つの自分が同居してたような時期だったかな?
多分。


授業は楽しかった。
高校では苦手だった科目を学ばなきゃいけないのに
そこでは朝から好きだったことについて学べるし深掘りもできる。
こんなことってあるの?っていう位自分の置かれた環境が有り難かったし嬉しかった。
服作りはもちろん、その服の歴史とか色彩についての考察、カルチャー、変わった物では人体デッサンの授業なんかもあったな。。。
2、3年の中での詰め込み式の授業だったかもしれないので広く浅くな学びになってしまったのかもしれないけどそれらがとても大事だったと後から気づく。

この世界、学生の経験なんて・・・なんて価値が無い物の様に切り捨ててしまう人もいるかもしれませんが基礎の基礎を学べたのは自分にとってはプラスでしかなかったと思う。

課題は山の様に出されて特に自分は専門からのスタートでもあったので実技でいつも赤点チェックされて大変だった記憶がある。
そんな色々な課題を日々こなす中、ある科目の中で昔の服の歴史を掘り下げるという授業があった。
その時の流れはうる覚えなんだけれども確か・・・西洋の洋服の起源から始まって今現在普段着として着られているほぼそれである近代までの歴史を学んだんだと思う。多分。



体に纏う服を被服と呼ぶそうなのですが
その起源はまだ正確には分かってはいないみたいです。
今から数万年前の地球上で気候変動が起き平均気温が極端に下がってしまったため
それに対応するために古代人類が初めて衣服を着るようになった・・・とされている様なのですが、これは一つの説。

ただそこから時は流れ、現代へと繋がるまでには地球の様々な地域から新しい時代と国家が生まれ
それに沿った衣服様式が誕生します。
古代エジプト時代ではシャンティ(短い腰布)やテュニックを
古代ギリシア地方ではペプロス(巻衣服の一種)を
ローマ時代ではトーガ(巻衣服の一種)と呼ばれる毛織りの布を巻き付けて日常生活を送っていたらしいです。

少し前のギリシャ開催時のオリンピックでの開会式の服装などをイメージしてみると当時の服装はこんな感じなのかな?なんて思いを馳せそうですよね。。。



そしてさらに時代を経て世界の流れと中心がヨーロッパの方へと移っていくとそこで専門学校で学んだその当時の西洋の服飾史へと繋がることになる訳なのです。

そんな西洋における洋服の歴史を学んでいった時
ある時代とそのある時代の服装が目と脳裏に焼き付いたのを覚えています。。。
なぜなのかは分かりませんが「あ、この世界観好きだ!」に自然となった気がする。

服作りに原型があるように服そのものにも「ここから始まった」と言われるカタチがあるのだと思います。
遡って遡っていくと先ほども書いたような何万年も前の被服の始まりの世界に行き着くのだろうと思いますが「洋」服としての起源はもう少し後の、服が単に纏うものでは無く服そのものに威厳と品格みたいなものが加えられ着ることが一つのステータスになっている時代、であるのかな。
そしてそれらの時代の服装が現代にも通ずる部分がある事にどこか驚きと感動を覚えた記憶がある。


もちろん、その当時の服が持つ価値観やその物としての価値や意味、生活スタイルなどは今とは全く違う訳なのですが今自分が作りたい服の雰囲気や世界観にもどこかほんのりと似通った匂いみたいなものを感じるのは自分だけなんだろうか。。。
なんて、昔の思い出を語りながら考えるのでした。






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