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知らなかった「般若心経」と「空」と

この歳まで、本当に知らなかったのです。
いえ、言葉は知っていたのですが、全く何も理解していませんでした。
「般若心経」を、大乗仏教の真髄なるものを。

京都の心落ち着く厳かな寺院で、写経をしたこともありました。
どなたかの法事で、「ギャーテーギャーテー」なる
お経を聞いたこともありました。
あれは、全て般若心経だったのでしょうか。

そんな程度の私が、先日、仕事で般若心経を調べることとなりました。
摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)
『般若経』600巻をまとめ、大乗仏教の真髄が説かれたものが般若心経です。

かの有名な「西遊記」に登場していた三蔵法師が、聖地インドから「大般若経」を中国に持ち帰り、三蔵法師はサンスクリット語から漢語に訳したそうです。その数、600巻ほどもあったというのです。

その600巻もの長編シリーズを、たったの「300字程度」にまとめ上げたものがで「般若心経」と呼ばれているそうです。
真髄も真髄、濃縮・凝縮・純度1000%ほどではないでしょうか。

その中では特筆すべく、「空」(くう)の思想について説かれています。
「空」とは、「全ての事象は不変の実体を持つものではなく、深い智慧により執着を離れることで悩みや苦しみから解放される」とあります。
智慧とは、「物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力」です。

般若心経は、「物事や思想にとらわれて苦しむことのないよう」説いています。
「空」の概念は、「全ての物事が本質的には空虚である」ということ。
これは、先入観・偏見・固定概念を打破する力があるそうです。

物事に固執せずに、柔軟な心でいれば生きやすいということなのでしょう。期待や執着が減ることで、精神が安定し、自分の内なる心の平和・穏やかさが得られるそうです。
まさに悟りの世界でしょう。

素晴らしい世界です。
そうありたいと強く思いました。
人や物に期待したり、執着したり。
自分がいかに俗な人間であるかを思い知りました。

全て手放そう!自分を解放しよう!
「全ての物事が本質的には空虚」なのだから。

今、目の前のことに集中して、地に足をつけて生きていこう!



般若心経を調べているうちに、目からウロコがたくさん剝がれ落ちました。

子供の頃に見たドラマ「西遊記」に出てくる和尚さんは、
本当に西に向かってインドへ渡り、お経を持ち帰った事実に驚きました。
幼すぎて内容をよく覚えてないのです。
妖魔たちとよく戦っていたことだけは覚えています。
あの和尚さんが翻訳していたなんて、凄い偉業を果たしていたのですね。

それに、「般若」という言葉が苦手でした。
能に出てくる「般若のお面」を思い出すからです。

般若のお面は、女性の嫉妬・恨みを表現した怨霊のお面とされています。
鬼の女性をみたら、誰だって逃げ出しますよね。
触れたら呪われてしまいそう。
けれど、能の世界では鬼の女性は、最終的に心を入れ替えるそうです。
良かった、一安心!

「般若」とは、仏教用語で「仏の智慧」という意味だそうです。
そうだったんですね…何も怖いことなどなかったのですね。

そう、思い知りました!
「無知であること」こそが一番怖いことなのです!
今回の仕事は、とても勉強になりました。

かつて、友人が生まれてくる子に「空(そら)と名付けようかな?」と話していたことがありました。
私は「かわいい名前だね!いいね!いいね!」と賛同しました。
しかし、家に帰ってから「空っぽ・空虚・空いてますの、”空”と思われるのは嫌じゃないかな」と心配していました。

結局、友人はパートナーに反対されて、別の名前を付けて安心していたことを思い出します。


しかし、「空」って本当にいい言葉なんですね!

誰の頭上にも平等に広がる果てしない「空」(そら)と、
全ての物事が本質的には空虚である「空」(くう)と、
先入観・偏見・固定概念を打破して空っぽにしようの「空」(から)と…

そして、空っぽになって空(あ)いた場所には、
大きな大きな幸せが一杯入ってくるのです!
断捨離みたいですが、楽しみでワクワクしてきますね。




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