「アベンジャーズ」の魅力

 マーベル映画が大好き。

 単純におもしろいからだ。ヒーローが敵をやっつけるのはスカッとする。イケメンのヒーロー、美女ヒーローの華麗なアクションに胸がときめく。

 いや、しかし、それだけではない。

 ヒーローは悲劇だ。

 正義を背負って戦うことは、安易なことではない。

ヴィランの驚異が、人々の期待が、周囲の疑心暗示が、ヒーローを苦しめる。

 アイアンマン、キャプテン・アメリカ
、ハルク、マイティー・ソー、ブラック・ウィドウ、ホークアイ。

 コミックから誕生したヒーローたちが集結した

「アベンジャーズ」はなんとも豪華な映画である。

 魅力的なヒーローたちがチームとなり戦う。

 それは夢の共演であり、それぞれのヒーローの個性を際出せることにもなった。

 アイアンマンとキャップ(キャプテン・アメリカ)はチーム内にあって早々に対決する。アイアイマンがケンカをふっかける。この二
人は対極なのだ。

 太平洋戦争で「超人人間」とになり、星条旗を背負ってその身をアメリカンヒーローに徹底させたキャップ。コスチュームはアメリカ一色だ。星条旗カラー、星マーク入りの楯。

 太平洋宇戦争で悪と戦い抜いたはてに、キャップは冷凍保存されていたが、発見されて彼は蘇った。

 古き良きアメリカであるキャプテン・アメリカ。

 とてもはハンサムで良識がある、そして強い。

 彼は長い眠りから覚めて
現代のアメリカに戸惑っている。それでも変わらず戦うことを選択した。

 武器製造会社の息子として生まれ、優秀な頭脳を持ち戦うためのボディ「アイアンスーツ」を開発したアイアイマンこと、トニー・スターク。

 トニー・スタークは独壇場のヒーローだ。

 自己中心的でとてもチームになじむようなタイプではない。トニーはなぜ戦うのか? 目立ちたいから?

売りさばいていた武器で誰かか死んだという罪悪感から?


 古典アメリカと現代アメリカ。敵対するのは致し方なし、である。

 ハルクとソーは超越したヒーローだ。怒りによって体が巨大化するパワーを持つハルク、神オーディンの息子であるソー。

 ホークアイは「普通の人」と言われる。

 世界一の弓手、特殊パワーはないが彼はチームの地盤となる。

 

 ブラック・ウィドウもそうである。彼女は元スパイという以外は謎めいており、超人ではないが、とても強い。そしてチームの紅一点のセクシーなヒーローだ。

 アベンジャーズ、誕生。

 しかし、どこか集められたヒーローたちはぎこちない。

 二作目となる「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」にてアベンジャーズは力を合わせて強敵と戦った。チームはまとめられたのか?

 エイジ・オブ・ウルトロンは複雑なストーリーだ。派手なアクションの下に暗い影がある。

「アベンジャーズ/シビル・ウォー」

 ついに恐れていたことが勃発する。チーム内の対立である。ついにアイアンマンとキャプテン・アメリカが決定的に対立してしまった。

 他のヒーローたち(ハルク、ソーは不在)は、それぞれ自分の考えに合った方につく。

 ヒーロー同士の争い、そんなものは観たくないのに惹かれてしまう名作である。

 ヒーローの活躍の裏、それは観客を時に刺激する。人間らしさを感じる喜びがある。時に娯楽作品が深い思想にふけってしまうと、楽しくない。だがマーベル映画は決して観客が求める娯楽性を失いはしない。

 シリーズとして、ヒーローものとしてではなく、まず映画としておもしろいか否か。それが常に大事にされている。

 シビル・ウォーでは新スパイダーマンが登場する。

 この登場は実に見事だ。

 スパイダーマンはアイアンマンの要請で来たが、彼はヒーロー同士の対立なんて気にしてないように思える。大人たちのごちゃごゃなんて知らない。

 無邪気な子供のように(実際、kidなんだけどね)戦いそのものを楽しんでいる。そして退場する。

 新スパイダーマンに選ばれた好青年トム・ホランドのスパイダーマンは「新アメリカ」だ。若い力、希望を感じさせる。トム・ホランドの抜擢はお見事だ、マーベルに求められた新しいヒーローにぴったりなのだ。

 スパイダースーツのマスクを取った印象は、「まぁ、かわいい」実にキュートなヒーローなのだ。

大好きなヒーローなので、つい贔屓目になるがスパイダーマンの登場がなかったら、シビル・ウォーはもっと暗澹としていただろう。

さて、ついに

「アベンジャーズ・インフィニティー・ウォー」

がやって来た。

それはまさにやって我々の元にやって来たのだ。

アイアンマンとキャプテン・アメリカが決別したシビル・ウォーから今作までの間、マーベルはマイティーシリーズ、ガーディアン・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサーを制作、ファンを喜ばせてきた。

 アベンジャーズの新作への期待値はそれゆえ高まっていた。

 期待は「衝撃」によってブン殴られた。映画館を出た時に私が始めに思った感想だ。

 

 ちくしょう、ブン殴られたよ。

 新しいメンバーも加わって
再結成したアベンジャーズ、今までのマーベル作品の大集成。

 

 それが、あんな終わり方でいいのか?

 あまり語りたくない。トラウマだもの。

 こんなのってあり、うそでしょ?

 オーマイガー! なんてこった! なんて日だ!

 絶望の言葉を書き連ねておこう。

 エイジ・オブ・ウルトロンで示唆されていた「最悪」が実現してしまった。

 だからこそ、次への作品が楽しみで仕方ない。

 私はヒーローたちを信じて
いる。

 どんな絶望にあっても、彼ら彼女たちなら、なんとかしてくれる。勇敢に立ち向かってくれる。

 

 人々がヒーローに求めるのは何か?

 ヒーローとはどういった存在か、ということを浮き彫りにしたのが「インフィニティ・ウォー」だった。

ヒーローを実感するために、ぶん殴られたみたいな展開は不可欠だったのかも。それにしても痛かったけど。

この困難を打開すべくヘルプを受けた「キャプテン・マーベル」も楽しみだ。
#アベンジャーズ #映画感想

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