【詩】虎

焦ってる狂ってる
焦ってる狂ってる
ありえない首を吊るなんて
ありえないくたばるなんて
焦ってる狂ってる
焦ってる狂ってる
ありえないよありえないよ
ありえなくしてくれ

薬がないと眠れない
朽ちるような睡眠
すがる悪魔にキスされる悪夢

狂ってる焦ってる
狂ってる焦ってる
ありえない手首を切るなて
ありえない手首を切るなんて
あの子のリスカをあざわらってたのに
手に握って離せないカミソリ
泣くほど辛いなら切らなきゃいいのに
泣くほど痛いなら切らなきゃいいのに
狂ってる焦ってる
狂ってる焦ってる
狂ってる焦ってる!

このザマはなんだ
ざまぁみろって言う側だった
イキるほどに無様でブサイク
イカしてる奴らに無粋な悪口

やっつてけしまえ病んでる自分を
やっちまってくれマジ病んでるから
やってらんないんだマジ錠剤大量口に入れて

焦ってる狂ってる焦ってる狂って

虎になれば
狂人といわれず済むだろう
太き尾を振りて
あおんあおんと鳴きたいものだ

わたしを哀れむ者たちが
わたしの牙を恐れ
逃げていくだろう
腐ったはらわた喰いたくない

虎になれば
おかしな奴といわれず済むだろう
太き前足で山を走り
あおんあおんと鳴きたいものだ

わたしを指さし笑う者たちが
わたしの獣臭さに
鼻をつまみ逃げていくだろう
腐ったはらわた喰いたくない

さぁ逃げろ
さぁ逃げろ
虎に狩られるな

わたしの牙から
さぁ逃げてさぁ逃げて
おまえたちを喰いたくない

腐ったはらわた喰いたくない
もろい骨をかじりたくない

わたしは虎と成りて
おまえたちが知らぬ夜を走る

#詩 #詩作

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