僕の息(詩、ポエム)

息をするのが苦しい

喉が、肺が、全部小さく、細くなっている気がする

大きく息を吸い込んでみても、全く体の中には入っていかない

逆に、呼吸を止めているときの方が、少しだけ、楽になれる気がする

空気に、溺れているみたいだ

きっと、息継ぎが上手くできないんだ

ここは地上で、立って、動けるはずなのに、水の中みたいに、身体も言うことを聞かない

先に潜っていったダイバーは、山の数ほどいる

きっと、上手い息継ぎの方法があったり、酸素ボンベを持っていたり、美味しい空気が溜まっている場所を知っていたりするのだろう

だから、長く、長く、潜り続けられる

僕は、何もない状態で海に突き落とされたのだろうか

いや、僕だって最初は持っていたはずだ

シュノーケルだったか、ボンベだったか、息継ぎできる場所を示した宝の地図だったか

いずれにしろ、何かを持って潜っていたはずなのに、苦しくて、使い切って、なくなってしまったことにすら、気付かないまま、潜っていたみたいだ

地上だから明るいはずなのに、まるで海の底のように、目の前は真っ暗だ

このまま、この暗い中を進んでいって、息が続くだろうか

きっと、どこかで苦しくなって、死にそうになるだろう

それでも、潜り続けることしか、今の僕にできることはなさそうだ

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