君の息(詩、ポエム)

僕は息を吐く

君も息を吐く

お互いの、少し暖かくなった息が混ざり合う

僕は息を吸う

君も息を吸う

少し暖かな息が、体の芯をくすぐるような気がした

僕は話す

君は聞く

僕の言葉が宙に舞い、君の耳へ、届いていく気がする

君が話す

僕は聞く

君の言葉一つ一つが、大切なものに変わりながら、僕の耳へ、僕の心へ蓄積される

僕は手を差し出す

君は答えるように握り返す

手から伝わった体温は、ゆっくりと、氷を解かすように、僕の心を溶かしていく

僕は手を広げる

君は答えるように抱きしめてくれる

触れあった心臓は、いつもより早く動いて、君に僕の心を伝える

僕は口を近付ける

君は答えるように目をつむる

君の全てを欲しくなって、僕の全部を捧げたくて、そんな言葉にできない感情を、君に教える

僕は君にはなれないし、君も僕にはなれない

他の誰かが君になれるわけでもないし、他の誰かが僕になることもできない

僕は僕で、君は君で

世界にたった一人しかいない君だから、僕は好きになった

世界にたった一人しかいない僕は、君に好きになってもらえるように努力する

残りの人生のうち、どれだけ君との時間が過ごせるだろうか

残りの人生のうち、君の隣にいれるのはどのくらいだろうか

残りの人生のうち、君に好きと伝えられるのは何回だろうか

そんなことを考えている暇があるのなら、今、この時を、君と精一杯生きよう

いつか来るその時に、僕が後悔しないように

いつか来るその時に、君に笑顔でいてもらうために

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