普通(詩、ポエム)

普通の人間らしく生きれたら

そんなことをよく考える

普通に生活をして、普通に仕事して、普通に日々を過ごして、普通に死んで

普通というのは、存外難しい

どうすれば普通になれるのか、それを考える時点で、もはや僕は普通ではない

普通の人間は、普通というものに悩みはしないと思う

そんなことを考えなくても、きっと普通に生きていられるから

思考放棄というわけではない

普通の人間だって、悩んだり、考えたり、そういう思考をすることはあると思う

ただ、僕はそれとは違う

普通ではない気がする

普通なら、きっとこんなにも生きていたくないと願わないだろうから

普通とは、一般的とは、世間的にとは、一体何と比べているんだろうか

みんな悩んだりするし、みんな大変な思いをしながら生きている、のみんなは、一体何のことを指しているんだろうか

定まった何かに収まらず、曖昧な存在は、全てこれらからはじかれるのならば、僕はそうだろう

普通に、みんなと同じように、悩みながらでも生きていく

そんなこと、と、普通の人は考えるだろう

でも、僕にはそれが酷く苦しく、羨ましい

あの人も、その人も、周りを見渡せば普通に生きている人間ばかりで、普通に生きれない僕には、苦しい世界だ

何故普通に生きられないのか

何故みんなと同じように生きられないのか

答えのない自問を繰り返せば、はっきりと、普通ではないこと、みんなと同じではないことを再認識するばかりで、普通にもなれないし、みんなと同じにもなれない

脳みそをぶっ潰して、空っぽにすれば、普通になるだろうか

言葉を紡ぐ口や手を無くしてしまえば、みんなと同じになるだろうか

きっと、何をやっても、僕は普通にはなれないだろう

普通ではない、みんなと同じでないからこその僕だから

異常で、みんなと違う事こそが僕である証明だから

つまり、僕は僕でいるしか、生きられないし、死ねないのだろう

面倒なものだよ、人生なんて

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