紡ぐ(詩、ポエム)

言葉を紡いで、残して、考えて

そうして僕は、何かを得られただろうか

面白みのない恋愛を、変わった形の恋愛を

思いつくままに吐き出した感情を、誰かに届いてほしいと願った感情を

人とのかかわりをデコレーションした物語を、勝手に作り出したイメージが一人歩きした物語を

僕はいくつ、残してきただろうか

気が付けば、点々と、それでも残っている

全て、僕の一部だったもの

言葉であり、心であり、夢であり、虚構であり

自分というものが何なのか、なぜ自分というものが残っているのか、なぜ人の目に触れているのか、よくわからない

紙を用意し、ペンを握り、言葉を紡ぐ

ただ、紡ぐ

目の前に、紡ぐ

ひたすら、紡ぐ

気が付けば、紙は散乱し、まとめることさえも億劫にさせる

火をつければ、すべて消えてしまうだろう

データを消してしまえば、無くなってしまうだろう

それほどの価値しかないこの紙きれを、何故か、僕は生み出し続けている

言葉を紡いでいる

残している

考えている

何の意味も、価値も、生産性もないこの紙きれを、炭素の粒で汚していく

それでも、僕の手は止まらない

意味がなくても、価値がなくても、生産性がなくても、紙を汚していく

紡いで、紡いで、紡いで

おそらく、この先には何もないだろう

ただただ、汚い紙の束が出来上がっていくだけだろう

でも、不思議と、それが当たり前というか、そうなるのだろうという感覚がある

意味がなくても、価値がなくても、生産性がなくても、紡ぐことが、僕にとっての救いなんだ

ただ紡ごう、心のままに

きっと何も得られなくても、それでいいんだ

紡いだ先に何もなくても、いいんだ

きっと、今ここに、意義があるから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?