ガラクタ(詩、ポエム)
僕は不用品だ
不良品だ
ガラクタだ
そういうレッテルを自分の身体にペタペタと貼り付けまくる
事実、そうなのだから、別に貼り付けたままで構わない
廃品回収の日に回収されないのは、僕が生ものだからだろうか
割れた電球
壊れた冷蔵庫
光の灯らなくなった変身アイテム
この子たちは回収されて、溶かしたりして、また新しいものへと変わっていく
それなのに、レッテルだらけの僕は、いつまでも回収されないし、新しいものにもなれない
他の子達と同じように、溶鉱炉にでも飛び込めば、何かの役に立つだろうか
誰かのためになるだろうか
そんなバカみたいなことを考えて、他の子達に囲まれながら眠る
朝、目が覚めて、他の子達がいないのに、自分だけまた取り残されたことに、悲しさを覚え、はがれかけたレッテルを支えるように、新しいレッテルを貼り付ける
何日も
何か月も
何年も
そうして貼り続けたレッテルは、まるでガラクタの僕を隠しているようになった
レッテルや、ごまかして貼り付けた何かで、他の人はそれをゴミだと言った
その声すら届かなくなった僕は、やっと、焼却処分されるらしい
火力発電の元となって、電気を生み出す
こんなガラクタな僕でも、少しは役に立てるかもしれない
そう思っていたのに、誰かがレッテルの隙間をぬって、僕を見つけた
これは生ものです、ガラクタではありませんと
レッテルを雑に取られて、また元の場所へ放り出される
不用品なのに
不良品なのに
ガラクタなのに
どうして燃やしてくれないんだ
僕を見つけた僕は、笑っていた
君は、僕から出た、ガラクタではない僕なんだね
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