居場所(詩、ポエム)

ある人には家族がいて

ある人には友人がいて

ある人には恋人がいて

ある人には信頼できる人がいて

もちろん、僕にだって家族や友人はいる

だけど、それはいるだけで、居場所ではない

僕がいても許される場所

それが、何処にも見当たらない

何をしても、何も積みあがらない透明な積み木を、上に積みあげては、しばらくして、その積みあげたことすらも忘れてしまう

そしてそれは無価値になって、知らないうちに蹴り飛ばす

誰もいない、真っ白な部屋は、水のようなもので包まれて、そこにいることすらも苦しくさせる

価値はない

認められない

意味がない

そんなことばかり続けて、積み木すら、水の中に溶けて、見えなくなっていった

息が苦しくてもがいても、真っ白な部屋は人には見えないらしく、ただただ、苦しくて、暴れて、酸素がなくなっていくだけだ

得体の知れないその水が、喉を通って体の中へと入ってくる

体の内側を、全部ぐちゃぐちゃにしながら、その水らしきものは、僕を壊していく

全部がおかしくなって

全てが嫌になって

全員を憎むようになって

嗚咽を漏らす

ただ、生きていたくないと

ただ、消えてしまいたいと

無価値な自分の存在を、僕は認めてあげられない

無価値な自分の存在を、誰も認めてはくれない

こうして、一人の命が消えたところで、世の中は何も変わらない

それだけの居場所が、僕にはないから

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