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葉酸はどんな栄養素?


今回は「葉酸」についてお届けしたいと思います。
妊婦さんに必要な栄養素として、葉酸をご存じの方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの発育にとても重要な働きをするため、妊婦さんに必要なことで知られていますが、どなたにももちろん大切な栄養素です。

葉酸がなぜ必要なのかを詳しくご紹介していきます。


葉酸とは?

①ホウレンソウ


葉酸は、ほうれん草の抽出物から発見された栄養素で、水溶性のビタミンB群に属しています。
緑の葉に多く含まれることから、この名前が付きました。
赤血球を作るのに必要なため、「造血のビタミン」とも言われています。


葉酸はどんな食べ物に含まれてるの?

植物性食品であれば、海藻類やいちごなどの果物、枝豆・モロヘイヤ・ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれています。また、葉酸の名称と由来から、植物性食品だけに含まれているように思われがちですが、実は動物性食品の牛や豚のレバーにも多く含まれています。


葉酸の働き

それでは具体的に、葉酸にはどのような働きがあるのかご紹介します。

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・赤血球の生産を助ける
血液細胞の1つで、酸素を運ぶ役割を持つ赤血球の生産を助ける働きがあります。

・体の発育に役立つ
 たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAやRNAなどの核酸を合成し、体の発育に役立ちます。
そのため、細胞分裂が活発である胎児の発育には特に重要です。

・「ホモシステイン」を「メチオニン」に変換するのを助ける
動脈硬化の危険因子である「ホモシステイン」を必須アミノ酸の1つ「メチオニン」に変換するのを助ける働きがあります。


葉酸不足のリスク

続いて、葉酸が欠乏すると体にどのような悪影響を及ぼすのか代表的な例をご紹介します。

③体調わるい女性


・貧血を引き起こす
赤血球の生産を助ける葉酸が不足することで、赤血球自体も不足し、貧血に繋がります。
成長期の子どもの場合は、成長のために葉酸が大量に消費されるので、特に注意が必要です。

・動脈硬化の引き金になる
動脈硬化の危険因子であるホモシステインの血中量が、葉酸不足によりメチオニンに変換されないことで増えてしまいます。結果、動脈硬化に繋がってしまう恐れがあります。

・胎児の先天性疾患のリスクを高める
母体が葉酸不足になることで、胎児の正常な生育に影響を及ぼします。
特に神経管の先天性異常である「神経管閉鎖障害」や、脳の先天性異常である「無脳症」などを引き起こします。


葉酸はどのくらい摂ればいいの?

それでは上述したようなリスクを回避するために、葉酸は1日にどのくらい必要なのでしょうか。
厚生労働省が定める1日の摂取推奨量は下記のとおりです。

・18歳以上の男女は240㎍
・妊娠している女性は440㎍

※妊娠を計画している女性、または妊娠初期の女性は、神経管閉鎖障害の リスクの低減のために、付加的にサプリメントから400㎍摂ることが望まれます。

葉酸は、食事からももちろん摂ることもできますが、熱に弱い水溶性のビタミンのため、調理することで簡単に壊れてしまいます。また、長期保存された食品も酸化によって葉酸は壊れてしまうため、新鮮な生野菜や果物を選ぶ必要があります。

また、新鮮な生野菜・果物から摂取推奨量を摂ろうとしても、例えば茹でたホウレンソウは1日約1束、妊婦さんであれば約2束、いちごは1日約22個、妊婦さんであれば約44個を毎日食べる必要があります。他の栄養素も摂らなければならない事を考えると、あまり現実的とは言えません。

さらに、食事から摂る葉酸(ポリグルタミン酸型)は、サプリメントに含まれる葉酸(モノグルタミン酸型)に比べ、生体利用率は約50%と言われています。

食事からも不足しないように心がけて、サプリメントも上手に取り入れることがおすすめです。

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