精神科作業療法士とは。

そもそも、作業療法士という職業がどれほど知られているのか。

少なくとも私が関わった人たちでちゃんと分かってる人はほとんど居なかった。

似ているような、理学療法士という職業の方が認知度高い。

まあ一応の定義みたいなものは、Wikipediaとかで読んでくださいなって感じです。

でも多分読んでも『へ、へえ〜……?』って感じになると思う。

というか資格持って5年現場にいる当人もそうだし。笑

それに加え『精神科』とつくと尚更伝わらなくなる。

整形外科とかリハビリテーション病院とかの作業療法士の方がまだ分かりやすいんだけど、ただでさえ日の目を見ない精神科の作業療法士…もう全然伝わらない。街コンなんかで話せば一気に会話終わる。

実際問題、精神科に勤めてる人たちですら作業療法士が何をするためにいるのかいまいち分かってないことが多い。あと理学療法士と間違えられがち。

そんな職業ですが、一応国家資格なんです。(作業療法士が資格であり、精神科作業療法士というものはない。けれどもリハ病院とかの作業療法士とはやってることが違いすぎるので今回は区別するためにそう書きます。)

私のやってる仕事といえば、簡単に言うと、気分転換、活動性の向上、社会復帰などを目的とした手作業をやったり、地域に戻るための練習を手伝うなどなどをしています。

大体において、数値化できるものではないので、変化が分かりにくく、やっている実感が薄い感じがします。

けれど、逆に厳密に数値化出来ない『人の感情』と関わって変化が起きた時には大きな喜びややりがいがある、と思っています。


ところで、作業療法士の研修に行ってたまにある議題『作業療法って何だろう?』というもの。

これを現役の作業療法士同士でグループワークとかしながら答えを出したりするんだけど、最終的には『そのどれもが間違ってるとは言えないし、正解とも言える』みたいなオチで終わる。

いや答えないんかーーーーい。

この時間なんだったの??てかそもそも現役の人にこのテーマ聞くってどういうことなのってなるけれど、でもそういう職業と言われるとそういうものなんだよなあ、っと思ってしまう自分がいるのです。(学生時代からそんな授業ばっかりで、社会人コースで来たクラスメイトとかで怒ってる人いたなあ)

一歩間違えれば何でも屋さん。そこを如何に『作業療法士』がやってるものだと伝えられるか。これよく悩んでるところだと思う。正直、リハビリ病院とかの方が、理学療法士の活躍がめざましくて作業療法士のアイデンティティが揺らいでるって話も聞くし、頑張ろう作業療法士…


あと毎年作業療法士の養成校から来る実習生の中で精神科作業療法士になりたいって人は少ない。(最近は発達障害関係の職に行きたい人が多い印象。)

多分それは、『何やってるか分からない』からだと思う。興味ないとトコトンやる気無くしてる実習生さん見ると悲しくなる。ちょっとでもこの職業の『面白み』に気づいてくれたらなーと思いながら接したいと思うこの頃。


作業療法士をとてもわかりやすく言うなら。

バンドに例えて、ボーカルは医師。ギターは看護師。ベースが作業療法士。

これは先輩の受け売りだけど『作業療法士は、人と人を繋ぐパイプのような役割がある』ということ。

つまり、最悪無くても良いのかもしれないけど、無いとまあまあ困る、みたいな職業。

アメリカだと結構上位になるくらい人気の職らしいですけどね、日本じゃ全然認知度低いよね。まあこの一言で説明出来ないような職は日本だと受け入れられにくい気がするのも分からんでもないが。


…と、まあえらく長くなりましたが、私はこういう職業に就いています。なんでこの仕事選んだのかはまた長くなるので割愛します。(自己紹介なのに)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?