キングオブコント2024の感想
コントの最高到達点へ!
今年もやってきたコントの日本一決定戦、キングオブコント2024!
総エントリー3139組の中から、決勝戦に勝ち残った10組のネタに対する感想を書いていきます。よろしくお願いします。
ちなみに、ジグザグジギーが準々決勝、トゥリオが準決勝で落ちてしまったのが残念という気持ちはあります。
1組目 ロングコートダディ
言葉のやりとり一つ一つが洗練されていて、結構面白かった。
でも個人的には兎さんが嫌な人すぎて、そっちの方に目が行っちゃった感ある。だから、腹から笑う感じではなかったかもw
でも、トップバッターが不利と言われる賞レースで、ここまでの高得点を叩き出すのはさすがだと思った。
また、山内さんの「変な花を一度も使っていない」というコメントは、今大会の審査でもっとも芯を食ったコメントだと思った。
2組目 ダンビラムーチョ
ロングコートダディに引き続き、これもまた面白かった。「冨安四発太鼓」という謎のネーミング、そして大原さんが出てきた時のリアクションに「俺太鼓大好きなんだよな〜」というワードを選んだのは秀逸だと思った。
嫌な感じの腕時計とか、有線で繋がっているマイクとか、細かすぎて伝わらないモノマネっぽいアプローチも随所で光る。若干中弛みしかけたところをプレステ2のフリに使うのもうまかったと思う。
3組目 シティホテル3号室
良かった。どっちかと言うと、「面白い」というよりも、「上手い」を感じる瞬間が多かった。
「ネタバラシの面白さ」と「ネタバラシ後の面白さ」の二重構成はすごく良かったと思うし、演劇性にも磨きが掛かっていた。背景の絶妙なチープさも面白い。
またもう一度、シティホテル3号室のコントを決勝で見たいと思った。
4組目 や団
これも良かった。気合いを感じた。
はじめは、伊藤さんが一万円盗んだのかな〜なんて思いながら見てたけど、後半の勢いと面白さで忘れちゃったw
ただ、伊藤さんが中嶋さんの顔を机に叩きつけるところのカメラは盛大に間違えていたと思う。漫才ではなくコントなんだから、決めどころをカットしないであげてほしい。
5組目 コットン
この流れで言うと、あまり面白くなかった。個人的には、きょんさんのフレーズがあまり刺さらない感じがした。
舞台装置である人形劇が予想外の展開へ向かっておらず、そのためにすべてが想像の範囲に収まっていると感じた。
また、公園にこんな真っ黒な台らしい台はないだろう、とも思ってしまった。
6組目 ニッポンの社長
まあまあだと思った。一つのことに対して様々な見せ方をするという、ニッポンの社長テイストの中で、去年は「シュールを装った暴力」だったのに対し、今年はむしろ「暴力そのものがシュール」であったという風に見受けられる。
ただ、ケツさんの「水飲んでいいですか?」という質問に対して、「おう、おう」と返事してからの「勝手に水飲むな」はかなり面白かった。これまでにない破壊力を獲得したように思えた。
あと、辻さんは「ちょっと嫌な関西人の雰囲気」を出すのが上手い。
7組目 ファイヤーサンダー
とても面白かった。ここまでで、一番構成に無駄がないと思った。
﨑山さんの表情を最大限面白く、かつ違和感なく活かし切る細かさには、達者さすら感じた。二人の表情からセリフ回しまで、満遍なく完成度が高い仕上がりで、去年よりも格段に面白かった。
8組目 cacao
ちょっと面白かった。ただ、個人的には暗転の長さが気になった。
暗転後の展開は、予想はしていてもあのスピード感でやられるとつい笑ってしまう。音響とのすり合わせが必須という、練習量の光るネタには感心した。
9組目 隣人
去年に引き続きチンパンジーネタ。そして去年より面白かった。
チンパンジーがジャージを着ていたり、リズムに合わせて揺れていたりと、去年よりもチンパンジーボケがパワーアップしていると感じた。良いバージョンアップだった。
個人的には、人間とチンパンジーのコントをパワーでなく、センスで面白くするのはすごいと思った。
10組目 ラブレターズ
可もなく不可もなくだった。どちらかと言うと、辛気臭さが目についてしまって序盤からう〜ん…という感じになってしまった。
ただ、溜口さんの取り乱し方や、謎に繰り返す「どんぐりだけに!?」、そしてどんぐりを2回もぶちまけるところなどなど、細かいところは結構面白かった。
見てて「良い話だなあ」とは思ったので、高得点には頷けるところがある。
ここでファーストステージが終わった。個人的には、ファイヤーサンダー、ロングコートダディ、ダンビラムーチョの順で残って欲しかった。
最終1組目 ラブレターズ
ちょうど1本目と同じぐらいの面白さだった。バリカンで溜口さんの毛を刈り取ろうとするところが特に好きだった。
意味のわからないことをやり続けることで、「どこからが冗談!?」というツッコミには相当な破壊力が生まれていたと思う。
あと、溜口さんが魚座で、塚本さんが山羊座だから、魚を釣って毛を刈っていたということにはすぐ気づけなかった。
最終2組目 ロングコートダディ
あまり面白くなかった。というより、最後に何か大きい展開があると思ったまま終わってしまった。
まあ、これは私が期待しすぎただけで、一般的に見ればすごく面白いネタだと言われてみれば、全くその通りだという風に納得できる、そんなネタだった。
最終3組目 ファイヤーサンダー
途中までは結構面白かったけど、後半からはそうでもなかった。
暗転が繰り返されるにつれて、いちいち気が散るというか、なんだか気持ちがリセットされたような感じになる。こういうことを言うのはどうかと思うが、冷めてしまった。
ただ、ファイヤーサンダーはもっと面白いコントができるだろうと思った。チョイスミスだと割り切って、来年も頑張ってほしい。
ファイナルステージではラブレターズ、僅差でファイヤーサンダー、次いでロングコートダディの順で面白かった。とはいえ、突き抜けて面白かったと言われるとうーん…とも感じたな笑
そんな中、キングオブコント2024はラブレターズの優勝という結果になりました。本当におめでとうございます。
13年越しの優勝というのは、なかなかグッとくるものがあります。いいものを見させていただきました。