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私の好きな場所

こんにちは。

自分のベスト・プレイスってなんでしょうね。来年リメイクアニメが決まった「シャーマンキング」という漫画の登場人物の一人が口癖のように言っています。

「自分のベスト・プレイスを探す。」

印象的なセリフです。世界に居場所のない不良少年たちが自分たちの居場所を探す。昔の漫画の登場人物らしい青春ですが、そういうのって誰だって探しているし、持っているんですよね。

私のベスト・プレイスは一体どこでしょうか。

インドアですから勿論おうちは大好きです。ベッドの中なんて天国。永遠にいたいです。

でも落ち着く場所といえば、年代ごとにいろいろありました。

小・中学生の頃は学校の図書室。本を目一杯借りていく子供でした。そのころの読書量をちゃんと保って欲しかったですね。

高校生の頃は駅前の図書館です。学校帰りだとそんなに長い時間はいられませんが、デザイン書というものを知ったばかりだった当時の私は、図書館のそのコーナーに入り浸りました。専門書ばかりのコーナーでしたから周りは大人や勉強をする人ばかりで、少し居心地が悪かった気がします。真面目に全部読めていたかといえばそうではありませんでしたが、それまで見たことのなかった本はとても面白くて、あんな本もある、こんな本もあるんだ、と読みきれない量を借りて、重たい重たいと言いながら持って帰りました。

小さい頃から通った図書館なのに、高校生になって専門書コーナーを知った日からあそこは私にとって全く別の場所になった気がしました。

デザイン書籍は私の好きなものが全部載っているカタログのようでした。高校生の私にとってデザイン書籍との出会いは、それまでずっと曖昧だった「自分の好きなものの正体」がわかった瞬間に等しかったのです。

大学では自転車で少し走ったところにあるTSUTAYAがとても落ち着く場所でした。

本が大量にあったのもそうですが、チェーン店というのは大体どこへ行っても変わらずに自分を受け入れてくれる場所です。どんな店舗でも代わり映えのしない、クローンみたいな場所。ゲームで言うとセーブポイント、ポケモンセンターのようなもの。それにその店舗はその周辺にしては遅い時間まで営業していましたので、夜に急に寂しくなった時、なんだかとても慰められる気持ちになったのです。

最近のTSUTAYAはカフェが併設されていることが多いですよね。その店舗もカフェがついていました。書店より早く閉まりますが、書店で買った本をそこでのんびりと読んだりするどうでもいい時間がとても好きでした。結局飲み物や食べ物に気を取られてしまいますが、そんな何の生産性もない時間って素晴らしいんです。

総合すると私は本がたくさんある場所が落ち着くみたいですね。実家も母が読書家で本がたくさんあったから納得です。本棚には絶対に何かしらの小説が入っていますし、入りきらなくて積まれていることも多々ありました。最近は増えすぎた漫画をとうとう断捨離することに決めましたが、私の家には死ぬまで「まだ読んでない本」や「一度しか読んでない本」が所狭しとひしめくことでしょう。

多分私にとって本というのは、書籍というだけのものではないのだと思います。

例えば道端の小石。コンビニの肉まん。ペンケースの中のシャープペンシルの替芯。棚の上の置物。なければ違和感のある日常の一部。

それを使うかどうかはともかく、ないと悲しい。不自然。落ち着かない。不安になる。本というのは私にとって、当然そこにあるべきものです。

寝床が落ち着く、という最初の供述の通り、私は落ち着く場所が好きなのでしょう。そして私にとって落ち着く場所というのは、柔らかくて気持ちのいい寝床と本に囲まれた空間のようです。

あと、適度に寂しくない環境。

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