私の好きな食事

私は肉食です。とてもとても肉食です。

一番好きなのは牛肉!焼肉!ステーキ!!と言っていいほど肉食な私ですが、流石にそれだけを書いても面白くありませんね。

なので味は一旦置いておいて、どんな食事風景が好きなのか、などを考えてみましょうか。

インスタ系キラキラ女子はカフェのご飯そのものよりも「洒落たカフェでご飯を食べる」という体験が好きな方が多いと思うのですが、キラキラ女子ではない私もそのような「体験」は大好きです。

私の場合、外食にしても自炊にしても、楽しい食事には「体験」が伴います。

もう何度も言いますが、私はミーハーオタクです。キャラクターグッズで言うならキャラクターの絵が描かれていたり、イメージの色で描かれているよりも、実際にキャラクターが使っている(いそう)なグッズにときめくタイプのオタクです。

同じものを使いたい、あの世界観を体験したいという意味ではアミューズメントパークに行く、コラボカフェに行く、コスプレをする、という感覚に近いと思います。

でも好きな作品の体験をできる機会なんて、ディズニーやハリー・ポッターレベルではないと、そうそうないですよね。

ですから私はセルフでそういう体験を、脳内補正をバリバリに使って演出します。

例えば「それっぽい」系統の服を着て、「それっぽい」食事を作り、「それっぽい」作法でご飯を食べるとか。「それっぽい」お店で食事をするとか。

そうやって気分を盛り上げるのに、何故だか一番都合が良いのは食事なのです。

アニメ作品との「コラボ〜」というのはよく聞きます。電車のスタンプラリーとか、服、アクセサリー、文房具。けれど「体験」という意味で一番多いのはカフェではないでしょうか。

一番お手軽に世界観を作り込み、尚且つ無理なく現実に再現できる「体験」だからなのでしょうか。難しいことはわかりません。

ですが企業が手軽に開催しやすいということは、セルフでも作り込みやすいということ。例えば動く階段とか、その辺を歩き回る着ぐるみとか、光り輝くお城とか、そんなものは夢の国ほどの作り込みがないと無理です。

けれどちょっとしたお料理なら、とても簡単ですよね。

私はそうやって、脳内補正を駆使した「なりきりお食事」が楽しいのです。

例えば「おしゃれなカフェでコーヒーを飲んでいる自分」だと「大人の女性っぽい自分を体験してる」ってな具合です。別に私はキラキラ女子でも高収入女子でもないけど、この時だけまるでそんな自分になったかのような気持ちになるのです。

虚しいと思いますか?でも、コスプレってそんなものです。メイドカフェでチヤホヤされてご主人様気分を味わったり、キャバクラで女の子にチヤホヤされてモテモテ気分を味わったり、そんな体験と同じです。

私は自分の晩ご飯を決めるとき、どうしても食べたいものがなければアニメを見ます。

グルメ漫画とかだとわざとらしいので、普通の漫画の主人公が食べているものがふと見えたとき、「今日はこれにしよう」と思います。

比例して推しができると推しの好物ばかり食べる時期に入ったりしますが、それはご愛敬。時には同人誌に出てきたご飯描写につられることもあるし、ドラマやCMにつられることもあります。

ここで不思議なのが、私は苦手なものでも「美味しそう」と思ってしまうことです。

私は海産物が苦手です。せいぜい海藻と焼き魚くらいしか食べられません。貝やタコ、イカなんかは本当に飲み込めないくらい苦手です。

なのにじゅうじゅうと汁を吹きこぼしながら焼かれるサザエの壺焼きや、帆立のバター焼き。お米のぎゅうぎゅうに詰まった、照り輝くイカ焼き。

あれらを見ると「美味しそうだな」と思ってしまうのです。

食べず嫌いなだけで実際食べられるのかと言われれば、全部だめでした。寸前まで美味しそうだと思っていても、食べてみると「違う!」と思うのです。

美味しくない、違う!

思うに私の中では「美味しい=肉の味」なわけで、美味しそうだと思ったものに勝手にそれを結びつけてしまうようです。どれだけ美味しそうに見えるサザエでも、期待する味は肉。でも実際には貝は貝。根本的に味が変わることはない。

要するに私が「美味しそうだな」と思ったサザエは実際にはサザエではなく「肉の味のするサザエ」で、そんなものは私の妄想の産物なわけです。

認識のズレというか、バグというか。

私はこの先どれだけ海産物を美味しそうだと思っても、実際に自分の中の妄想の中にしか存在しないその海産物を食べることはできないのです。悲しい。


話が逸れましたね。要するに、私の好きな食事。それは「妄想体験」を伴う食事です。

物語の世界観のような食事。幸せな、ありふれた家庭のような食事。古き良き日本の食事。アメリカの朝食風景のような食事。

食事に世界観をつける。そうするだけで、普通の行動がちょっと素敵に思えるのです。


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