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ドラマ「相棒」で心に響いた言葉たち

「相棒」は、言わずと知れた窓際の天才刑事「杉下右京」とその「相棒」が、数々の難事件を解決していくドラマです。

「相棒」には、杉下右京が犯人やその関係者に、「説諭(せつゆ)」する場面が見られます。

※「説諭」は、「裁判官が判決の後、被告人に対して教え・諭す(さとす)こと」を表す場合が多いですが、ここではこの言葉が一番しっくりくる気がします。

杉下右京の「説諭」の中で、私の心に残ったセリフを2つ紹介します。

Season10 第15話「アンテナ」

私の心に一番残っているセリフは、Season10で杉下右京がひきこもりの少年にかけた言葉です。

親や教師が、たとえあなたのためを思って放った言葉でも、そこに少しでも、親や教師自身の気持ちが入っていると、あなたは高感度でそれを受信してしまう。(中略)ひとは、100%誰かのためにだけ話をすることはできません。(中略)相手の言葉に主観が入っていても、あなたを裏切ったことにはならないんですよ。

相棒season10 #15


今でいう、「HSP(Highly Sensitive Person、とても敏感な人)」の人たちのための言葉ではないでしょうか。

実は私もHSPです。メンタルクリニックの先生に「昔からそういう、HSP気質なのかな?」と言われて気づいたのですが。

これまで自分がなぜ、人より過敏に「気持ち悪さ」を感じているのかわかりませんでした。

小学校の頃は、吐き気に襲われて保健室に駆け込むことが多かったのですが、なまじ成績が良かったせいか、教師たちには「サボり」と判断され、良いときはせせら笑われ、下手をすると怒鳴られました。

親も教師も、私の味方になってくれる人は誰もいないと思っていました。

私自身も分かっていなかったことを、右京さんは分かっていたんだ、と思ったセリフです。

Season16 第10話「サクラ」

「サクラ」とは、警察官に支給される銃を指す隠語です。

鶴見辰吾さん演じる「内閣審議官・有馬武人」は、プログラミングコンテストで優勝した少年たちを拉致監禁し、ハッキングによって政府高官の弱みを握ろうとしていました。

追い詰められて、奪った警察の銃で有馬を射殺しようとする少年。結果として取り押さえられ、絶望する彼に、杉下右京はこう語りかけます。

僕は今回のことで、君が、自分の生きている社会をあきらめてほしくないと思っています。

この社会には、たくさんの不正が存在します。君が今回体験したように、この世に正義などないのではないかと感じる時もあるかもしれません。

正義は、人間が考え出したもの。根の弱い、人工の植物のようなものだからです。その存在を望み、大切に育てる人がいなくなれば、たちまち枯れてしまう。不正に飲み込まれて、力のない人間は、押しつぶされていってしまう。

僕は君に、正義と公正さを望み、それを実現しようと努力する側の人間であってほしいと願っています。そして……君はそう「なれる」。僕は信じています。

相棒season16 #10

なぜこのセリフが心に響いたかは、よく分からないのですが。
世知辛いこの世の中に、小さく灯る、かすかな希望の光を感じたのかもしれません。


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