ラムズの風間春菜という女
コミュニケーション能力が極端に低く、交友関係が猫の額より狭い私であるが、そんな数少ない交流相手の中でも群を抜いて強烈なのが、女性お笑いコンビ「ラムズ」の風間春菜嬢である。
思えば彼女との出会いは数年前、同じく女性お笑いコンビである「危険物てぃらてぃら」のちなていという娘のツイッターに彼女の写真が載っていた。
「あれっ?広瀬すず似の美少女がいる」マジでそう思った。ヨイショとかではない。
数年経った今と違い「顔面偏差値ニッコマレベルの女がアイドルを志半ばで諦め、月2回くらいライブに出演し金のない男芸人に穴モテすることで辛うじて自我を保っている」というタイプの自称女芸人がまだあんまりいなかった時代である。そういう女が現在「盛り散らかした自撮り」を撒き散らしているわけで、つまり数年前、女芸人の自撮りは今よりだいぶ少なかった。と思う。そのため、風間嬢の自撮りはだいぶ目立っていたのである。
裏を返せばたった数年で雨後の筍のごとく可哀想な穴モテガールがニョッキッキというのは少しイガらっぽい現象だとも思うが、とにかくその、数年前にSNSにUPされていた、数少ない「ホンモノの女芸人の写真」の中の風間春菜は掛け値ない美少女であった。
彼女と直接相見える機会が訪れたのは僅か数ヶ月後のことである。私は当時まだ芸人業を営んでおり、なかの芸能小劇場というライブ会場で共演に至ったのであった。
先述の危険物てぃらてぃら ちなてい、私にとっては養成所の後輩にあたるので、それまでも何度か会話する機会に恵まれてはいた。そのため、仲良しであるラムズのことを、楽屋で紹介してくれたのが直接の出会いであった。
あれっ?
と、私は思った。
広瀬すずではなかった。
デケェのである。
風間ちゃん、ごめん。太ってるとかそういうニュアンスではない。隣にいたちなていがヒョロヒョロだった事もあり、その「デカさ」が際立ったというのも要因ではあるが、何か骨格とか、サイズ感が、もう本当に「デケェ」としか言いようがなかった。わかりやすく言うと、彼女は数年後、芸人プロレスを嗜んでいた時期もある。そういうデカさである。まだライブに出ていた時分のにゃんこスター・アンゴラ村長は、風間嬢の通った後の風圧で、少しよろけていた。
しかしデケェだけに迫力はある。ビューティプラスで撮れば広瀬すずになるポテンシャルのため、顔は整っているし白い肌に紅い唇、妙な色気がある。そしてタレントに必要不可欠な「華」があった。
しかも相方の石田嬢、彼女も全く同じサイズ感なのだ。完璧である。
「こんにちは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ラムズの風間っていいます!!!!!!!!!!!!!!」
声もデケェ。
当時、私は下ネタ駄洒落コントという、お笑いの中でも最も頭を使わなくて良い芸風を売りにしていたが、風間嬢はなぜかそのネタをいたく気に入ってくれた。そして楽屋では殆ど喋らない私に対しかなりグイグイ来てくれ、してそのデカさと迫力である。その日のうちに連絡先を交換した。
こうして、ボチボチであるが彼女と付き合いをはじめ、痛感したことがある。その最大の特徴は迫力とデカさではなく「人間性のヤバさ」であるという事実である。彼女には数多くのファンがいるため詳細を記述することはできない。しかし辛うじて例を挙げるならば、数ヶ月前、彼女が我が家に泊まりに来た時のエピソードがある。
私は夫と二人暮らしであるが、風間嬢は夫の主催ライブでMCを担当してくれていた関係もあり、夫婦ぐるみで懇意にしてくれていた。私は用意していた部屋着を貸し、自由に寛いでくれと促した。
すると彼女は洗面所やトイレを借りるまでもなく、リビングで、夫と私の見ている前で、まるでそこが自室のごとく堂々と着替えをはじめたのである。
初訪問の家に来て、よう知らん男の前で、何の臆面もなくパンツ&ブラ丸出しで服を着替えるか?普通。しかも瞬速。セクシーとかそういう要素、一切無かった。親とかの前で着替えるのよりグンバツに潔い脱ぎである。Gパンとかスパーン!って脱いだ。ストリップなら坂口杏里の倍速でクビだ。夫、普段は滅多に笑わないサイコパスであるが、この時ばかりは本気の失笑を漏らしていた。
そして部屋着に着替えた風間嬢はおもむろにベッドの前に正座をするなり、真顔で
「あっ、ささくれさん達、セックスします?どうぞ?私見てますから。見せて下さい。二人のセックス」
狂っている。
そして、その場でおっぱじめなかった我々夫婦を「うわ、やんねーのかよ。おもんな」という目で見ていた節さえある。モラルとは何か?はからずも哲学の道へ迷い込むところであった。
また、二人でスーパー銭湯に行き、ジャグジーに浸かった際はその水流で水面に上昇した自分の乳を見て、「私、これを何処に出しても恥ずかしくないです。私は自分のオッパイが大好きです」と発言していたこともある。
とにかく何かリミッターが外れているのが彼女の最大の特徴である、一瞬たりとも目の離せない存在だ。ファンもそういう部分を魅力として追いかけているのだろう。
因みにその二つ名を、「墨田(出身地)の悪魔」と自称していた時期もあった。
ちなみに相方の石田嬢とはあまり会話した事がないが、リアルな寝起きに布団の中で何の根拠もない適当な占いを喋るという「ラブミーテンダー石田の寝起き占い」動画を、もう数年、ほぼ毎日ツイッターにアップしている。私はこれが大好きだ。あと、全然関係ない地方の牧場のアカウントを無意味に定期リツイートしていた時期があった。今になって訊いてみたい。あれはなんだったの?
次に売れる女芸人、絶対ラムズ。
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