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【Python DeFi Bot作り⑤】Fair Launchに自動で参加 ~流動性検知~

納豆男爵です。しばらく間をあけてしまいましたが、Pythonで作るBSC Defi Botの解説記事第5回目です。やはりbotと言えばFair Launch、上場戦なのですが、今回5回目にしてついに上場戦参入を想定したbotを紹介しましょう。Fair Launch用のbotをしかけておけば、深夜帯の厳しい時間に上場されるトークンであっても、平日昼間の仕事中に上場されるトークンであっても参加できます。理想的に動けば非常に実用性の高いbotとなります。

ただし、とにかく仮想通貨の世界は危険がいっぱいです。十分な経験なく上場戦に参加することは全くお勧めしませんし、botでの参加はなおさらです。お遊び・お勉強のために活用いただくのは構いませんが、本格的な資産運用目的で使わないようご注意ください。
なお、この記事によって生じた損失について当方では一切の保証をいたしません。各自の責任によってお試しいただくようお願いいたします。特にプログラムを試験的に実行する場合には,試験用のウォレットを用意し極少額のBNBやBUSDを入れておくことをお勧めいたします。

前置きが長くなりましたが、上場戦にbotで挑むためには以下のステップが必要となります。
① 対象トークンの上場時の情報をとにかく調べる。
② 対象とする流動性ペアの動きを見張る。
③ 流動性が入ったらスワップする。

各ステップについて順に説明していきましょう。

① 対象トークンの上場時の情報をとにかく調べる

下調べは本当に重要です。bot任せにして放置で購入する場合、当然上場時に臨機応変に設定を変えることはできません。想定されるトラブルを事前に調べて予め対策しておく必要があります。一般的に調べておく必要のある要素を以下に列挙しますが、これが全てではないかもしれません。上場する側からはbotは嫌われ者です。ギリギリまで情報公開しない、ギリギリで設定を変更する等どうしようもないトラブルも当然想定されます。

コントラクトアドレス

言うまでもなく必須です。対象のトークンのコントラクトアドレスがわからなくてはどうしようもありません。しかし、フェアローンチで売り出すトークンは直前までコントラクトアドレスを非公開としている場合がほとんどです。ここが最初の大きな関門となりますが、頑張って自分で調べましょう。以下の記事を参考にしていただくと見つけ出すことができるかもしれません。

上場先/チェーン

これも当たり前ですがどこに上場するのかも大事ですね。この記事ではBSCのPancakeSwapを対象にしていますが、DEXはPancakeSwap以外にも多数あります。最も有名なのはイーサリアムチェーンのUniSwapでしょうか。本記事はPancakeSwapを前提としているため、まずはPancakeSwapに上場するトークンを探してみるのが良いかもしれません。
(もちろん上場先に合わせてRPCやルーターコントラクトを変更するのも良いですが、やや上級者向けかもしれません。)

初期流動性ペア

これは普段WebUIでスワップしている方には馴染みが薄いかもしれませんが、上場戦においては必須項目です。初期流動性ペアとは、上場時に運営が最初に設定する流動性ペアのことで、対象トークンとどのトークンとのスワップをできるようにしているか、ということを意味します。BSCでは一般的に初期流動性ペアとしてWBNBあるいはBUSDと組みます。それ以外は見たことがありません。つまり調べるべきは上場時に対象トークンをBNBで買えるのかBUSDで買えるのか、です。
調べ方は色々です。TwitterやTelegram,Gitbook等で流動性のボリュームと共に載せていることもあれば、Telegramで聞かれるまで答えないこともあります。WBNBかBUSDかどのみち2択なので、両方を想定して待ち構えるという戦略も可能です。

上場時間

上場する時間を把握することも大切です。botに任せるのでPCに張りつく必要はないのですが、できる限りギリギリまで情報を確認することが大事です。早めにbotを仕掛けつつ、直前は情報の変更がないか確認すると良いです。

購入量制限

トークンによっては購入量に制限がある場合があります。1回のトランザクションで買える最大量が設定されているパターン(Anti-whaleと書かれていることが多い)や、1つのウォレットアドレスで保有できる最大量が設定されているパターン(Max walletと書かれていることが多い)があります。いずれにしても、最大量を超える額で買おうとするとトランザクションが通らず失敗に終わります。適切な購入額の設定が必要です。

ボット対策(anti-bot)の有無

また、プロジェクトによってはボット対策を打っている可能性もあります。購入量制限を超えて購入するために特殊なコントラクトを介して購入している、とか上場後あまりに素早く購入している、とかをbotであることの証拠として取引をブロックされるといったことがあるようです。今回紹介するのはそこまで凝った処理ではないのでトランザクションからbotらしさがわかるほどのものではないですが、「上場後一定時間はボット対策のためブロックします」といった記述があれば、その分を考慮しておいたほうが良いでしょう。

詐欺通貨かどうか

これはなかなかどうにもならないですが、本当に大事な要素ですね。すでに上場されていてある程度評判がわかっているトークンであればまだ安心して買えますが、上場戦はそうした根拠がないため非常に危険です。買うことはできるけど売ることができないハニーポットや、初期の流動性が突然引き抜かれるラグプルといった詐欺行為が横行しています。正直、よほどの自信がなければ上場戦には参加すべきではありません。

② 対象とする流動性ペアの動きを見張る。

調べた情報に基づいて、スワップするトークンや量が決まったら、いよいよbotをしかけるわけですが、どのタイミングで買うのかが当然非常に重要です。公開されている上場時間ちょうどに買うようプログラムするのも良いですが、実際にその時間に買えるようになっているかはわかりません。流動性供給が少し早いこともあればかなり遅刻することもあります。最もシンプルで妥当な戦略は「買えるようになったらすぐ買う」という方法です。そのためにはPancakeSwapに設定された流動性を監視します。流動性ペアが作られ、そこに流動性が供給されたらすぐにスワップするようにプログラムする必要があります。その詳細は以下で説明します。

③ 流動性が入ったらスワップする。

流動性が入ったらすぐにスワップですが、スワップする部分は過去の記事で詳細を解説しています。特定のトークンを買うプログラムについては、【Python DeFi Bot作り③】にて詳細を解説しています。ちなみにトークンの価格を見て自動で利確までするプログラムについては、【Python DeFi Bot作り④】にて解説しています。

Fair Launch自動参加Botの実装

さて、ここからは実際のPythonコードと共に処理を解説していきます。当然、プログラムの実行にはPythonの実行環境が必要です。環境設定がまだという方は【Python DeFi Bot作り①】から順に記事を読んでいただくことをお勧めします。

ちなみに、本記事で紹介するコードでは以前の記事で紹介したようなトークンをスワップする処理を含んでおりますが、関数レベルの解説は【Python DeFi Bot作り③】に記載しておりますのでここでは改めて解説いたしません。詳細が気になる方は【Python DeFi Bot作り③】を参照してください。
ではまず、Fair Launch用のコード全体をお見せしましょう。

なお改めて念押ししますが、以下に記載するプログラムによって生じる不利益等について一切の責任を負いかねますのでご了承ください。また、特に上場時のbot対策は時々刻々変化しています。記載のプログラムでは上場時にうまく購入できず高値掴みをしてしまうという可能性が十分にあることをご理解ください。

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