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偽善者フェス2 神谷潤先生

ねらい「学びの楽しさ、可能性、尊さ、美しさ等を実感する」
 
今日は学びの「可能性」を実感できる1時間でした!

神谷潤先生

お茶の水女子大学附属小学校教諭
一般社団法人「未来の体育を構想するプロジェクト」代表理事
哲学対話実践研究

Work1

あなたが学校で経験してきたことで
当てはまることを見つけてみてください

①時間割が設定され、全員が先生のいる方向に机を向けて授業を受けていた。
②通知表があり、自分自身の学習状況が評価されたものが先生から渡された。
③単元ごと、学期末にテストがあり、それによって学習状況が評定されていた。テストは教材会社が作成したと思われるものだった。
④道徳で、友達には優しくすることが大切だと指導された。
⑤体育の授業で、最初に整列・体育座りで話を聞く場面があった。

いかかでしたか?
多くの人が、このような経験をされているのではないでしょうか?

それぞれについて、質問を立ててみます。
ぜひ考えてみてください。

①について
なぜ、「時間割」は決められているのでしょう。
なぜ、1単位時間で同一の教科を学ぶのでしょう。
なぜ、全員一斉に同じことを学ぶのでしょうか。

②について
なぜ、通知表は存在するのですか?
なぜ、通知表にはグレーディング(評定)が示されるのですか?
なぜ、先生が評定をつけ、それを親に示すのですか?

③について
なぜ、テストするのですか?
なぜ、テストは一度きりなのに、それで評定されてしまうのですか?
なぜ、教材会社は私たちの授業を知らないのにそのテストが使われるのですか?

④について
なぜ、友達には優しくしないといけないのですか?
優しいってどういうことですか?

⑤について
なぜ、体育の授業では整列するのですか?
なぜ、体育の授業では体育座りをするのですか?
体育の授業ってなんですか?

お気づきかと思いますが、、、

これって、本当に必要ですか?

と私は思っています。

てつがくする

当たり前を問い直す

Work2

①〜⑤についててつがくしてみましょう。

①について
効率化・質保証・トップダウン型
→一斉授業からの脱却
 「決められた」から「決める」へ
 
現状のシステムを逆手に取り、子どもたちが「自分たちの生活を自分たちでつくる」実践を行っていた。
 
学びや空間のデザインを子どもたちが行えるような仕組みづくり。

②について
通知表に作成義務はない
海外では、「通知表は教師のためのものである」と言われている場合も、、、
本来は、子どもの成長に活かすことが評価の機能なはず、、
本来の目的に立ち返り、通知表を見つめることが大切
 
自己評価を軸にして、評価のあり方を変えるために
→計画表+ドキュメンテーション+ポートフォリオに加え、教科学習の自己評価システムの策定を。

④について
道徳からてつがくへ
哲学対話の実践

⑤について
以前、体育の目的は「統制」の場だった
本来の体育を行う目的は、「運動を通して人生をより豊かにすること」

なぜこのようなことを考えているのか

より良い人生とは何か、の探究。
誰もがこの探求ができるようにしたい。

自分の生きたいように生きれない子どもに出会うこともある。

この問いが、みんなの中に平等にあるべきなのではないか。

一人ひとりを解放し、自分自身が生きたいように生きるための手伝いがしたい。

子どもの育ちがeducationの目的。

大人の価値観を押し付けない
できるだけ邪魔しない。

当たり前だが、大人のために子どもを利用しない

だから、子どもを出発点にしたカリキュラムを構想したい。

「個別最適化」という言葉は、ニュアンスとして当てはまらない感じがしている。

子どもは、私ともあなたとも違う存在。
「そもそも違う」ということから出発したい。

同感、と共感は違う。

人間にとって人間(市民)たるうえで必要なことは何か、自分の行きたいように生きるために必要なことは何か、を整理して、educationを考えたい。

そう考えるようになった背景

◎たくさんの素敵な「出会い」があったから

本との出会い
・無知な教師
・驚くべき学びの世界
・手仕事を学校へ
・「子供がケアする世界」をケアする
・状況に埋め込まれた学習
・中動態の世界 意志と責任の考古学
・「聴く」ことの力
 
職場・団体との出会い
「うちの学校は未来の教育を考える場所なんだ。20年後の教育を考えるんだ。」
「人の言葉で語るな。自分の言葉で語れるようになれ。」
「最も大事なのは子ども理解だ。そして、最も難しいのは子ども理解だ。」
 
自分の過去
学校が苦手だった

中断、そして解放へ

一度中断して考えることが、これからの未来を切り拓く(解放される)きっかけになるのではないか。

「出会い、つながり、つくる」
 
ぜひ一緒に行動しましょう!

まとめ

フレネ教育・レッジョエミリアなど、教育の歴史を振り返りながら、今の教育を見つめていくことが大切だと思いました。
哲学を「てつがく」と表現していることにもきっと意味があるんだろうなと思いながら、自分なりに当たり前を『問い』直しながら教育をてつがくしていきたいと思います。
素敵な思想・言葉に出会うことができてよかったです。

ありがとうございました!

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