秋月祐一・自選十首
1997〜2018年に制作した歌の中から編んだ、自選10首です。
短歌誌「未来」800号記念特集に寄稿したもの。
ご笑覧いただければ幸いです。
地下街で迷子になつたカピバラにフルーツ牛乳おごつてやらう
スクリャービンのソナタみたいな夜だからちよつと酸つぱいきみの青梨
すこしづつたがひを奪ひあふやうにこのたそがれを空から剝がす
「生涯にいちどだけ全速力でまはる日がある」観覧車(談)
廃墟・廃港・廃線・廃市・廃病院・廃家・廃井 あぢさゐのはな
こころはれる/こころこはれる 雲間からひかりこぼれる空を見てゐる
焼き豚足なるもの頼むあつあつのかりかりぷるぷるなにこれ旨い
天空橋といふ名の駅よいつかしら降りてみる日はくるのだらうか
微乳好きとロリはちがふと言ひ訳をすればするほど遠ざかる月
今度こそ失敗しないバツ2だし猫飼つてるしときめいてるし
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