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#1 AO入試・推薦入試で困っている君へ

「AO入試・推薦入試で進路を決めようと考えているけど、具体的に何をどうすればいいの?」
「学校の授業には科目としてないけど、準備や対策はどうしたらいいの?」
「指定校推薦・公募推薦・AO入試・自己推薦って、色々あるけど、何がどう違うの?」
「てゆーか、AO入試って何? そもそも『AO』ってどーゆー意味?」

このような疑問を持ち、困っている人はまず以下の解説を読み、自分に必要な準備や対策を知りましょう。入試の区分や性質をわかっていなければ、それに対する適切な準備や対策もできません。ですので、まずは「知る」ことから始めましょう。

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[AO(アドミッションズ・オフィス)入試……大学側の「青田刈り」のような制度]

AO入試の「AO」とは、Admissions Office(アドミッションズ・オフィス)の略称です。アドミッションズ・オフィスはもともと「入学管理局」という意味です。「入学管理局から審査され選抜される」そういった意味から、AO入試とは「大学の求めている人物像」が重視される入試です。そのため、学校の成績や学力が問われない場合も多いです。言い換えれば、高校から推薦してもらわなくても出願可能な場合が多いです。勿論、基礎学力が問われる場合も多々あります。しかし、学校の成績や学力が問われない代わりに「大学との相性(マッチング)」が非常に重視されます。「一般的な学力」が低くとも、「大学が求める能力や才能」が高ければ評価されます。逆に言うと、「一般的な学力」が高くとも、「大学が求める能力や才能」が低ければ不合格となる場合も多いです。ゆえに入試形態は自己PR文・志望理由書・エントリーシート・課題レポート・小論文・プレゼンテーション・ディベート・グループディスカッション・面接など多岐にわたります。様々な角度から学生の「人物像」(専門知識・知性・感性・人間性)が分析されます。だから公募推薦入試と比べると、非常に複雑化・多様化した入試と言えます。

(例)A大学の場合のAO入試 
・志望理由書(1000字程度)
・課題レポート(4000字程度)
・プレゼンテーション(5分程度)
・小論文テスト(60分・800字)
・面接(15分程度)
(例)B大学の場合のAO入試
・自己PR文(600字程度)
・志望理由書(800字程度)
・小論文テスト(30分・600字)
・面接(20分程度)
(例)C大学の場合のAO入試 
・志望理由書(1600字以内)
・課題図書1冊の要約と感想(1200字程度)
・面接(20分程度)
(例)D大学の場合のAO入試 
・エントリーシート(合計16ページの冊子を執筆)
・面接(30分程度)
(例)E大学の場合のAO入試 
・志望理由書(1000字程度)
・小論文テスト(90分・1200字)
・グループディスカッション(20分程度)
・面接(20分程度)
(例)F大学の場合のAO入試 
・志望理由書(250字以内)
・学科試験(50分・100点満点)
・面接(10分程度)

※ AO入試には以上の用例以外にも、大学によって様々な取り組み・試験内容があります。

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[1]指定校推薦入試……「内定」をもらうような制度

大学から定員のある推薦枠をもらい、その規定に見合う優秀な学生を高校が推薦し、その枠内に収める入試です。校内選抜によって推薦人物が決定されます。校内選抜の方法は主には成績です。が、人格面も考慮されます。大学が行なう試験内容は面接のみのところが多く、よほどのことがない限り不合格にはなりません。ゆえに「指定校をとる」と言った場合は「内定をとる」ということと同義と言えます。


[2]公募推薦入試……他校の学生と「戦う」推薦入試制度

大学が基準値を提示し、それに見合う学生を高校が推薦する入試です。大学が提示する基準値(評定平均値など)がないと、受験資格が得られません。ただし、それがあって人格的に問題なければ、何人もの学生が推薦されます。ゆえに、全国から不特定多数の学生が出願してきます。そのため、合否は大学が取り決めた審査や試験によって決まります。いわば、他校の学生と「戦って」「勝つ」必要があります。なお試験内容は志望理由書・課題レポート・小論文・面接などが一般的です。はじめに基準値を満たしいているかが審査されるため、AO入試ほどの複雑な試験内容はありません。が、そういった複雑さの度合いは大学によって試験内容が異なるため、その都度変わります。



[3]自己推薦入試……学生の「自分売り込み型」のような制度

AO入試と似ていて、学力よりも「大学の求めている人物像」が重視される入試です。「大学との相性(マッチング)」が重視されます。「一般的な学力」が低くとも、「大学が求める能力や才能」が高ければ評価されます。けれども、AO入試が「青田刈り」すなわち大学が学生を選び抜く入試制度とすると、自己推薦入試は「自分売り込み型」で、学生が大学へ自分をアピール・PRしていく入試制度と言えます。
※ ただし、近年ではAO入試と自己推薦入試が混在している傾向もあります。

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(1)評価基準や採点ポイント、合格ライン等がわからない!

AO入試は成績や偏差値では計ることができない「人物像」(専門知識・知性・感性・人間性)が分析されます。そのため、入試形態は自己PR文・志望理由書・エントリーシート・課題レポート・小論文・プレゼンテーション・ディベート・グループディスカッション・面接など多岐にわたります。それらは通常の筆記試験のように客観的に数値化できるものではありません。勿論、合否を決めるために多くの大学は試験結果を数値化していると思います。が、しかし、その際の評価基準や採点ポイント、採点方法などは基本的にわかりません。なぜなら、多くの大学がそれらを公開していないからです。

ですので、一般入試と異なり、AO入試の受験者は原則として合格ラインが不明瞭な中で努力をしなければなりません。いわば「これくらいの偏差値を取っていれば大丈夫!」「これだけの対策をしておけば大丈夫!」「これだけの過去問を解いておけば大丈夫!」といった確約が一切持てません。場合によっては「昨年の課題内容であれば得意だったけど、今年の課題内容は不得意な内容だった。」と言ったことも多々あります。そのため、AO入試は、一般入試に比べれば、偶然性に左右されやすい、すなわち若干「ギャンブル性」がある入試と言えます。



(2)準備や対策が学校の授業科目にない!

上記した通り、AO入試は学校の成績等では計ることができない「人物像」(専門知識・知性・感性・人間性)が分析されます。これは言い換えれば、高校教育外の、もしくは高校教育を越えた知識・知性・感性が問われる入試です。そのため、AO入試の対策は学校の授業科目にありません。学校の授業は、原則として一般入試のために存在します。ゆえにAO入試の準備や対策は、原則として授業外に行なわなくてはなりません。しかも上記したように「これだけの対策をしておけば大丈夫!」といった確約が一切持てない状況下で努力しなくてはなりません。

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