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#4 志望理由書の書き方

AO入試・推薦入試には必ずと言っていいほど志望理由書の提出があります。志望理由書の執筆は事前に準備し、何度も書き直しをしていく必要があります。が、闇雲に書いてはいけません。大学入試のための志望理由書には、ある程度の「型」(フォーム)といくつかの注意点があります。まずはそれらを知っておきましょう。

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なぜ志望理由書を書かなければならないのでしょうか? なぜ志望理由を文章に書き起こさなければならないのでしょうか? それは過去・現在・未来の「あらゆる自分」を整理するためです。そして、自分の未来について「深く考える」ためです。また志望理由を書くことで「志望する気持ちや意識」は高まります。これは「自己分析」と「自己発見」を同時に行なう考え方です。

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・私は将来●●になりたく、●●を学びたいため、貴校の●●学部を志望します。
     ↓
・上記のことを望むようになったのは過去に●●の体験をしてきたからです。
     ↓
・だから貴校の●●学部(の●●のような取り組み)は私に適しています。
     ↓
・そこで入学後には●●の授業において、私は●●を学ぶつもりです。
     ↓
・そうすることで、私は将来●●になれると考えています。
     ↓
・だから私は貴校の●●学部を強く志望します。

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(1)過去の自分
(2)現在の自分
(3)近い未来(大学入学後)の自分
(4)遠い未来(大学卒業後)の自分

過去・現在・未来の「あらゆる自分」が必要です。
(多角的に「自分」を明確にする必要があります。)

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(1)過去の自分
将来の仕事や進路先での活動を望むようになったきっかけや出来事を、過去のストーリーを語ることで説明しましょう。その際にはさりげなく自己PRになるような内容を盛り込めるとなお良いです。

(2)現在の自分
過去のストーリーから、現在において自分が進路先で学ばなければならない必要性や学びたい強い気持ちを説明しましょう。その際には具体的な過去のストーリーから、抽象的な意義や思いを見出すように書けると良いでしょう。さらにはそこに現代の社会問題などを入れられると、深い内容になります。

(3)近い未来(大学入学後)の自分
入学後のストーリー、特に学習内容や学習計画を説明しましょう。その際に進路先の特色や進路先が掲げている建学の精神、アドミッション・ポリシーなども関連させて書けるとなお良いです。(ただし、これらは現在の自分を説明する場面において書いても構いません。)ちなみに、学習内容や学習計画はできるだけ具体的に書けるのが望ましいです。できれば、授業名やゼミ名、教授名などを書けると良いでしょう。

(4)遠い未来(大学卒業後)の自分
卒業後のストーリー、特に将来の夢や具体的な職業、もしくは仕事の仕方、あるべき自分の姿などを説明しましょう。なおその際には社会貢献している展望を語ること。これは絶対に必要です。なぜなら、大学は研究機関であると同時に、学生を社会に送り出すための機関だからです。なおその際には大学での学習内容が活用される展開が望ましいです。できれば社会の課題が解決されるような展望が望ましいでしょう。(以上の点が難しければ、未来への抱負を語ること。)

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志望理由書を書く時に意識(イメージ)したほうが良い方向性(展開)は以下の2点です。

・「自己」の関心が「社会」の問題へ広がっていくような展開。
(小さな自己と大きな社会が「つながる」ような展開。)
・自己の関心という自分の「内側」から発見された「課題や問題」が、大学や社会という「外の世界」に出たら「解決」されるような展開。

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・大学賞賛の内容はあまり書かないこと。大学を褒めたところで、評価はされない。
大学を「よく調べる」こと、「自分との適性を分析する」ことは大事です。が、大学を褒めたところでそれを読む教授は喜びません。なぜなら自分が所属している大学であるため、褒められる部分があるのは当たり前だからです。

・「具体性」があること。できる限り詳しく書くこと。
志望理由書では、入学後の学習計画(近い未来の自分)と、卒業後の将来設計(遠い未来の自分)を、どれだけ詳しく書けるかがポイントです。過去の自分ばかりを詳しく書くと、ただの「良い人アピール」(自己自慢)に見られる可能性があります。過去の自分の話よりも「未来における社会の話を詳しくできる人間」のほうが「計画性」と「将来性」があるように見えます。その点を深く注意し、具体的に書きましょう。

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・「専門性」があること。理系では「人間性」(人格)よりも「専門性」(研究)のほうが重視される。
・全体のバランスは、過去・現在・未来の区分で言えば、「現在」の割合を1番「多く」「濃く」書くこと。

理系の場合は「これからやりたい研究」よりも「今までに行ってきた研究」に比重を置くほうが良いでしょう。現時点までの「自分の研究内容」を書けるくらいにしておくこと。イメージとしては「志望理由書」というよりも、現時点までの自分の「研究報告書」として書くほうが良いです。理系の場合は、それくらいの「専門性」を兼ね備えておく必要があります。


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