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静謐さと熱情をあわせ持つ本と私の大切な出会い

昨年の夏、『日常のなかのワールドワーク』を初めて手に取った。

まず、手に取って驚いたのは、まるで写真集のような重厚感と肌触りの気持ちよさ。

そして、この本はきっと多くの"覚悟"と"祈り"がこめられている本なのだろうと直感的に感じたことを覚えている。

だから、私はすぐにこの本を開くことができなかった。

開くのがなんだか怖くて、しばらく本棚にそっと置いていた。

でも、翌月にはDayaさんのプロセスワークの合宿に行くって決めていたし、合宿でしっかり味わえるように読んでおこうと思って、子どもたちが寝静まった後に勇気を出してそっと本を開いた。

読み始めたら、涙が止まらず、一気に読むことができなかった。

3〜4ページくらい読んで、涙がこぼれて止まらず、本を閉じる。味わう。

そして、また次の日に少し読む、また涙がこぼれて止まらず、本を閉じる。味わう。

そんな繰り返しをしながら、毎日少しずつ少しずつ、読み進めた。
かなりスローペースに。

こんな風にゆっくりゆっくり読み進めた本は、これまでなかった。

毎晩毎晩泣きながら読み進めていたが、決して嫌な涙ではなかった。

少しずつ読み進める中で感じたことや体験がたくさんある。

私の心の奥底へと、静かにもぐっていけた。
心の奥にしまいこんで思い出したくないものにも、苦しかったけど同時に穏やかに触れにいけた。
世界の捉え方のヒントをそっと手渡してくれた。
誰かが背中に温かい手を添えてくれているようにも感じた。
しゃがみこんで泣いている私の横に静かに座ってくれているような存在も感じた。
私よりも私の可能性が見えるよと静かに見つめてくれているような存在も感じた。

何よりも、今目の前にある悩みや苦しさを無理やり横にやる以外の方法が確かにあるんだと、心からの希望になった。

この本は私にとって、特別な本だ

この本は私にとって、特別な本だ。

だから、一言でこういう本だと、簡単に言葉にすることがうまくできない。

だけど、誰かにどんな本なの?と聞かれたとしたら、この本は、
『命のエネルギーが1ページ1ページに刻まれている本で、静謐さと熱情をあわせ持つ本』
だと答える。

写真にも、言葉にも、ライフストーリーにも、絵にも、その奥にある背景にも、想いにも、エッセンスにも、1つ1つに命のエネルギーを感じる。

そして、その命のエネルギーは、静謐さと熱情という相反するものを両方あわせ持っているのだ。

ただただ熱さやパッションだけでもなく、
ただただ静かな穏やかさだけでもなく、
両方がこの本にあるからこそ、読む人の心に届き、刻まれるのだと思う。

こういう本に出会えたのは、幸せなことだと思う。
私はこれからの人生、何度も何度も、この本を開いて、その時にしか感じられないことを感じるのだろう。

どうか必要としているあなたに届きますように

この本を手にとるだけでもいい、写真を眺めるだけでもいい、パラパラと読みたいページを読むだけでもいい。

今、心が疲れてしぼんでしまっているあなたに。

何も考える余白がなくて、呆然としているあなたに。

毎朝、起きるのがしんどくて、無理やりベッドから体を引きはがすように起きているあなたに。

ずっと得体のしれない重い気持ちを抱え続けながら、日々を過ごしているあなたに。

とにかくしんどくて、どうにかしたいのに、どうしたらいいのかわからなくて辛いあなたに。

誰かに「助けて」ってメッセージを送ろうとして、何度も手を止めて結局送れないでいるあなたに。

どうかあなたに届きますように。

今週金曜日は、著者のDayaさんが参加する読書会があるそう。
直接お話を聞ける貴重な時間なので、ご一緒できたら嬉しい。


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