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Z-TASTE(仮)

これは弩級のローカル飯の話。

とあるラーメン屋は、もうかれこれ10年以上存在している。
いや、もう10年よりも遥か前から存在していたのかもしれない。MOTHER2のラスボスが遥か過去の地底大陸の奥深くにいたかの様に、ヤツはずっと長く川崎と横浜の狭間で構えているのだ。

非常に狭い我々のコミュニティでは、あまりの不味さに二口で退店した者や、店名を文字って「絶望の味」と呼称していた人もいた。

私も何度か行った事があるが、チャーシューが凍りついていて「絶対零度焼豚(エターナルフォースブリザードチャーシュー)」だの「現代社会のような冷たさの肉」などと友人に発言したことを覚えている。

俺は楽しい楽しい飲み会の最後に、
「Z行かん?」といって嫌な顔をさせるのが数少ない俺の楽しみだ。苦々しい空気になって解散するのが面白いから。

そんなZを好き好むフリークもいる。
「いや〜Zいこ?ね、ねZ行こうよ〜」
「Zさ、ブレはあるけど確かに美味いんだよね。みんなにも食べて欲しいんだ。」
「逆張りと思われるかもだけど美味しいんだよ、また行きたいなあ」

当の本人は100%純粋に美味しいと思っている「ホンモノ」で、その美味さを誰かに知って欲しいと真剣に考えている。
悲しいバケモノが友達を作る為に人間を襲うロジックと似ていて、きっと彼はSIRENに出てきてもおかしくないだろう。
そもそも、不味い飯にブレもクソもない。
はなからブレブレなのだから。

そんなZがとうとう出前館を始めたとタレコミがあった。

奴等は、思った以上のスピードで侵攻を進めているのかもしれない。その内ヴィーガンの人に無理やり食わせたりするかもしれない。怖い!

今度、最近会ってない人に出前館でデリバリーZプレゼントしようかな。

多様性の時代、俺もZは受け入れられていいと思うんだ。
ジェンダーフリーの「ジ」は「Z」
即ち、絶なり。

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