孤高のパフェ日記
2024年3月17日(日)
今日はいちご畑に行き、たくさんのいちごを摘んだ。
去年に行った時よりも大きないちごは少なく、小さくて赤いいちごを注意深く観察しながら集めた。
家族連れやカップルが多くて肩身が狭かったが、わたしは孤高のパフェ職人だから、といった表情を浮かべ、せっせとツヤのあるいちごを集めた。
パックにぎっしりと赤いいちごと少しの白いいちご(そういう品種)を詰め、うれしい重みを提げて帰った。
家に帰るとさっそくいちごパフェを作った。
材料は調達したいちご、家にあったヨーグルト、クランベリージャム、アラザン、スプレーホイップ、さっきスーパーで買ってきたプリンとポッキー。 わくわく。
材料を用意したらあとはパフェグラスに盛っていくだけなのに、全然思ったようにはいかなかった。
下の部分にヨーグルトや刻んだいちごを重ねたところまでは良かったが、やっぱりトップの盛り付けがむずかしい。
プッチンプリン(みたいなやつ)は容器に収まっているうちは形を保っているが、さかさまにしてパフェグラスの上に落とすと重力に負け、べたりとへたった。女の子の胸みたいだと思った。
生クリームの中に半分溺れてしまってせっかくのプリンなのに存在感がなかったし、デコレーション用のトップのいちごもうまく安定させることができなかった。
珈琲西武やからふね屋のパフェの写真を参考にしたけれど、完成したわたしのパフェはあんなふうに堂々とした盛り付けにはまったく及ばず、なんだかとろんと眠そうないでたちのパフェとなった。
パフェ作りに重要なのは「盛ってやるぞ!」という気合いと思い切りなのかもしれない。
今日は母やおばあちゃんと話した日の過去の日記を詳しく書き直していたので、実際に母やおばあちゃんと親しく会話をした気分になっていたが、そうではないことに気づいたのは、夕飯で使った食器の洗い物をしている時だった。まぼろしだった。
わたしが今日コミュニケーションを取ったのは、いちご畑の受付の人に「あ、一人です」と言った時と、スーパーで発した「このクーポンも使えますか?」というやりとりだけだった。
会話が足りなかった日には日記を書けば良い、小説を書けば良いのだと思う。
そうすればわたしは会話をした気になれるのだから。