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小説同人誌の装丁メモ(全面箔)

先月7/27に発行した小説同人誌の仕様についての記録です。
主に次回の制作に向けて自分用に書きましたが、作る段階であれこれ調べていると例はいくつあってもいいと感じたので、これから同人誌を作る方の一助にもなれば幸いです。

※以下で取り扱うのは二次創作BL小説(Rー18)です。版権元とは一切関係がありません。また内容への言及・性描写を含むページの画像はありません。
※参考写真は撮影が下手でピントがぼけたものと、意図的にぼかしたものがあります。ご了承ください。




仕様

内容:二次創作(短編集)
サイズ:A6(文庫)
ページ数:130p
表紙用紙:ケンラン 180kg オリーブ
表紙印刷:全面箔 (箔の色:ゴールド)
本文用紙:書籍用紙 70kg
遊び紙(巻頭のみ):ヴィンテージゴールド アンティーク
印刷所:おたクラブ
表紙デザイン:てんぱる


背表紙〜裏表紙。古い洋書のようなクラシカルなデザインにしていただきました
遊び紙のヴィンテージゴールドは片面に重厚なキラキラの加工が施されたクラフト紙。
しおり代わりの名刺はグラフィック様で作りました


・組版

レイアウト設定が赤字になっていますが、このくらいなら大丈夫

縦式使用。アップグレード2.0のアドオンを入れました。ダッシュがつながる・紙の表裏で行の位置が揃うなどの出力設定が可能になります。


小口・ノドはこのくらい

今回は本文のフォントを使い分けしたい箇所があったので、サイズに差の少ないヒラギノ明朝・ヒラギノゴシックを使っています。
掲載は省略しますが、事務ページ(中表紙・目次・初出一覧・奥付)のみWordで作成しました。短編の1話ごとに作成したデータと事務ページを最終的にCubePDFで結合して入稿。


作ってみての感想

・表紙

今回、初めてデザイナーさんに依頼しました。全面箔の提案をしていただき、内容に合った仕上がりになって大変嬉しかったです。全面箔印刷は一般的な箔押しとは違って紙に凹凸は出ませんが、特別感が出てテンションが上がります。
当初、自分ではPP+箔押しにしようと考えていました。文庫でPP加工すると表紙がけっこう硬くなることを考えると、全面箔で正解だったと思います。本としての機能が最優先なので開きやすさは命! ケンラン180kgは思っていたより柔らかく開きやすかったです。

・組版

これまではフォントサイズ8.5ptを選ぶことが多かったのですが、今回は9ptにしました。9ptで試し刷りして校正作業をしたらとても快適で、これ以上小さくしたくないと思ったため…(目が疲れている)。
短編集とはいえ3万字の話もあったので、読みやすくてよかったのではないかと思います。

ノドは迷いに迷って16mmにしました。届いた本を見てやっと安心。今回選んだ紙の厚み・ページ数だとちょうどよかったです。
印刷所の案内を複数見てみたところ、15mm以上とるべきと書かれていることが多かったです。一方で商業文庫を見るともっとギリギリまで文字が入っているものも多く、好みに左右されるように思います。
小口は個人的には12mm欲しいですが、10mmあれば読みづらくはならないはず。

・印刷所

おたクラブさんを初めて利用しました。
小部数・低予算で様々な加工ができて魅力的です。そんなに部数は出さないけれど特殊加工を試してみたい方におすすめ。
新刊だけでなく、おまけ小冊子・無料配布もおたクラブさんで作りました。気になっていたベルベットPPもできて大満足です!
また、組版確認用の試し刷りは製本直送.com様にお願いしました。一般的な印刷所では太っ腹な余部をつけてくれるため、本当に1冊だけ欲しいときは製本直送さんを利用しています。届いた本は校正・推敲で活躍してもらいました。


数年に一回くらいでマイペースに本を作っており、毎回これが最後かも…と思いながらやっています。書きたい話は全部書き、やりたいことは全部やり尽くしたつもりですが、イベントが終わるとまだ書きたい・本が作りたいという気持ちが出てきて不思議です。
オンデマンド印刷のおかげで気軽に本が作れてありがたいです。また推しCPへの情熱が形になったら、本にしてみたいと思います!

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