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月々のうた:2022年8月


江ノ電も海によろこぶ吊革が揺れてはラインダンスを踊る

落ちていく義母の花瓶に安堵すらしていた 空がこんなに高い

鰐と鯱なかよく並ぶプールには密かな平和協定がある

爽やかで優しい君は夏の日の素麺みたいだから飽きたの

半分のパピコを渡すこの夜を共犯にする儀式みたいに

お互いをまだ決めかねて僕たちは花火の消えたあたりを見てる

汗が落ち氷もとけたアイスラテ仕舞い損ねた恋の温度だ

もう海へ帰ると決めて手始めに人間以外の伴侶をさがす


どうにも調子が上がらないので思い切って7日で100首詠む一人短歌マラソンを始めたのが8月1日。なので8月だけむやみに母数が多いゆえの8首です。そこから生まれた鰐と鯱の歌、それとパピコの歌がお気に入りです。それにしてもパピコという食べ物にはいわく言いがたい詩情があって、短歌やる人は大体好きなんじゃないでしょうか。
1週間100首で作った歌は別の記事でまとめます!

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