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信じられる世界を失くした果に出逢えた、もう一人の私

約3年前に逢った彼女は、
私が知る人の誰よりも強くて、
誰よりも弱いと感じる人だった。

たまたまお互いに物凄く弱い面と物凄く強い面の両方を知ることができた、という言い方が正確かもしれない。
誰もが併せ持つような”至極弱い部分”と”至極強い部分”をたまたま視ることができた世界線にいたのだと思う。


彼女のお陰で、何かを信じられる私が創られたように感じる。


彼女に逢ってから、世界の視え方が本当に変わった。昨日までは月だと思ってたものが、実は太陽だったぐらいに世界が違って視えた。



楽しいから笑うんじゃなくて、笑うから楽しい


人生の何もかもがうまくいかなくなって、流れ着いた場所で出逢えた彼女は、内心塞ぎ込み続けていた私にそう教えてくれた。私にとって、どこまでも偉大な人だった。

ワンピースで言うところの、故郷が失くなり、仲間はバスターコールで殺され、たった独りになった幼少期のロビンが海軍のサウロに出逢えたとき、サウロが「楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しい」と教えてくれたシーンと、私たちがとても重なった。


どこまでも器が大きくて、
どこまでも人の感情を背負ってしまう人で、
どこまでも人を頼ることが難しい人で、
どこまでも傷を隠すことがうまくて、
どこまでも底抜けに明るくて、
どこまでも大声で笑う人で、
どこまでも涙脆くて人間らしい人

そして、
どこまでも自分を愛する努力をしてきて、今も尚し続けている人に私には視えた。


もう一人の自分に感じる人だった。これまでの人生を聴いても、歩んできた軌跡は一見全く違うのに、「え、それ私も同じ選択する!」と心から感じるとても不思議な感覚がある人だった。


ただ、自分と違った所として、"どうやって生きたら良いか"ということを、私より、もっともっと身につけてきた人に視えた。


だから、私はその人を見倣うようにして生きようとした。


当時の私は、信じられるものが他に無かった。自分を信じられない状態になっていたけれど、その人が標す道は、信じてみようと思えた。
きっと、彼女の姿が「未来の私/なりたい私」にとても近かったからなんじゃないかと思う。


ソクラテスも言っているけれど、「人は人を模倣する生き物だ。」という言葉がある。


私は、生きていくためには、模倣するしか術はないと思っていたから、とにかくその人を真似たんじゃないかと思う。



彼女の人生に掬われた


「私が○○の人生だったら、自殺してるよ」彼女の友達から言われたことがあるらしい。


文章では書ききれない。だから、とりあえずまとめると、きっと色んなことがあったから人への恐れがとても強い分、人を信じたい気持ちも人一倍強いじゃないかと私は感じる。私も同じだった。


今はこんなに笑って過ごしているけど、この人には確実に笑えなかった時期があったんだ、と、どうしてかなんて説明はできないけど、とても納得ができた。


だから、「この人が今日も曲げたくない所を曲げずに生きているなら、私も曲げたくない所を曲げずに生きていけるんだ」と希望を持てた。何も希望なんて持てなかった時の私からしたら本当に神様のように見えた。


"押して駄目なら引いてみろ"


この言葉のように、あの時の私はきっと押ことに精一杯で、余裕なんか無くて、もう通用しなくなっているのに他のやり方もわからず息詰まって、まさか"引く"なんて方法があるとは到底思いつかないような状態だったんだと思う。



コロナがなければ、交わることはなかった人かも知れない


この人に逢えていなかったら、と思うと恐ろしい。

けれど
コロナがなければ、確実に逢えていなかったと言い切れるくらい、私と彼女は全く違う世界に生きていた。

私の周りには、大卒が当然だったり、生きていることは当たり前で、その余力で自分の人生を悩む人が多かった。
彼女の周りには、自身が中卒でグレていたこともあり、生きるために生きている人が多い印象だった。

だから、社会の分断をこれでもかというくらいに感じている。

詰まる所、人間はどこまでも「楽で心地良いところにいる」ことの為に眼の前の選択を選んでいるにすぎないと思うようになった。

「楽で心地良い所に居る」と知らずに寿命を全うする人もいただろうし、いるだろうとは思う。

 

フィリピンで社会の格差を失くすような仕事をする働く話もコロナでなくなり、完全にアイデンティティを失いかけて打ちのめされていた時に、コロナだから出逢えた人だった。


今思えば、
コロナがなければ生じなかった喪失感・絶望感と、
コロナがなければ生じなかった出逢いで、
コロナがなければ見つかることのなかった自分を見つけたのだと思う。


こうやって文章に起こすけど、彼女は普段全然本を読むタイプではないのと、ここに書いたことを気恥ずかしさから伝える予定はないけど、ここに本心を書いておきたいなと思って書いた✍



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