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恋人と写真を撮りたくない

先日お酒の席で「付き合っている人から二人の写真を集めたアルバムをもらったことがある」という話を聞いた。

自分に置き換えたらめちゃくちゃ嫌だなと思ってその場は終わったんだけど、後日ふと「そういえば付き合った人と写真撮ったことないな」と気がついた。

そもそもあまり自分のアーカイブを残したくないので、写真が好きじゃない。友人や家族と一緒にいる時も、私から写真を撮ろうと呼びかけたことはほぼない気がする。

でも、友人や家族と写真を撮ること自体は決して嫌なわけではない。あとで見返して懐かしむこともあるし、撮ってよかったなと思うこともある。

一方、恋人と写真を撮るのはめちゃくちゃ嫌。記憶の限り、ツーショットを撮ったことは2回しかない。

それも相手が『写ルンです』の残枚数を処理するために適当に自撮りをした写真と、観光地で現地スタッフにほぼ無理矢理撮らされた写真の2回。どちらもぜんぜん乗り気じゃない。

過去を振り返って、気を利かせた友達が「二人で写真撮ってあげるよ」と言ってくれたのに対して「いや、いいよ」と断っていたことも思い出した。

昔は変にカップル扱いされて気を使われるのが嫌だったのと、単純にツーショットってめちゃくちゃ恥ずかしいというのが写真を避けていた理由だったけど、今はそれにプラス、そのうち別れることが前提にあるからな気がする。

別れたあと、写真が残るのはしんどい。私は即処分するけど、相手が私の写真見てノスタルジーに浸っているのとか、想像するとめちゃくちゃ嫌だ。物的な痕跡を残さず私は相手の元を立ち去りたい。

こう書くとめちゃくちゃドライな感じがするけど、私は結構ロマンチストなので、「写真眺め返すより記憶の中で思い返した方がロマンチックじゃない?」という発想が根底にはある。

アンミカさんが過去にスパイと付き合っていたとき、「振り返ってみると写真が一切残っていなかった」と言っていた。私はスパイ思想のロマンチスト。共感してくれる人はどのくらいいるんだろうか。

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