見出し画像

「多様性」と「無意識のバイアス」の社内イベントをして、どうだったか?

昨日3月8日は「国際女性デー」でした。

ここ数年少しずつ、日本でも、広告を見たり、イベントがあったり、「国際女性デー」に関連した活動を目にするようになりました。

私は勤めている会社で、女性社員コミュニティを運営しているのですが、「国際女性デー」ということで、「多様性」と「無意識のバイアス」をテーマに社内でイベントを実施しました。プレゼンと、グループディスカッションの内容です。

率直にこのイベントをやってみて、参加者から思った以上にポジティブなフィードバックが多くあり、やって良かったなと思っています。

このイベント中や終わった後にも、いろんなご質問、ご意見をいただき、たくさんの気づきがあったので、このnoteに書いていきます。

なぜ「多様性」と「無意識のバイアス」をテーマにイベントをしたのか?

「多様性」(ダイバーシティ)は、もう長年言われているテーマで、正直目新しさは無いし、「まだ、ダイバーシティって言っているの?」という方もいるかもしれません。

また同じように、ジェンダー平等(男女平等)や女性に特化した取り組みについても、「いまさら、女性活躍?」という方もいると思います。

でも、世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数2020」で、日本は121位で、年々順位が下がっている。つまり、多様性の第一課題であるジェンダー平等は、死活問題として取り組む必要がある状況です。

多様性も、ジェンダー平等も、総論は賛成だけど、

「なぜ、多様性が大切か?」

「なぜ、ジェンダー平等が大切か?」

を腹落ちしている人は少ないと思います。

私自身は、母親アップデートコミュニティという社外の活動を通じて、2年間このことについて考え、ようやく自分のなかで腹落ちしています。

ひとりひとりが、この問いについて自分で考えて、腹落ちすることが大切だと考え、そのきっかけを作るイベントを企画しました。

正直、このプロセスは時間が掛かります。

私も「理解をしてもらえるのは、もう無理かもしれない」と何度もあきらめ、女性社員コミュニティの活動も挫折し、一度は休止してたんです。

でも、今回このイベントを通じて、たくさんのフィードバックをいただき、希望が持てました。

※参加者の声(一部抜粋)

「女性だけではなく、男性も参加されていてお話できたことがよかった。」「社内では多様性に対して悪意のある明確な人が少ない分、男女問わず無意識の意識が強いのかもしれない、と感じた。」
「個人的にはクォーター制に否定的でしたが、必要なのかもしれない、と感じた。」
「女性、女性以外の属性によるバイアスに対して意識を向けていらっしゃる人がたくさんいらっしゃったことに喜びを感じた。」

他にも部下を持つ男性マネージャからも、うれしいフィードバックがありました。

「ガラスの天井という言葉を知らなかったこともそうだし、平等とは?公平とは?って実は意識して考えてなかったなーってすごい気づきました。
D&Iって何となく分かったふりをして使っていた言葉だったけど、分かったふりをしないで、こういうコミュニティで発信されている話をきちんと聞く、見るが必要。」
「豊かな多様性を持ったメンバを抱え同じ目的を果たすということを目指すなら、リーダーには今日聞いた話は最低限認知が必要だな。まだまだ勉強不足だな。のりしろばかりだ。と思いながら参加させてもらいました。」

「女性だけが特別扱い?逆差別になるのでは?」

いわゆる「ガラスの天井」が構造上の問題として、根深く存在しています。

この構造上の問題を解決するには、女性に特化した取り組みが必要になります。

たとえば、女性社員向けのリーダー研修や、女性を積極的に管理職にするとか、女性枠をあらかじめ作るといった取り組みです。

このような取り組みは、男性側からすると「逆差別では?」といった疑問や、女性側からしても「女性社員だけ特別扱いされたくない」といった声があがります。

今回のイベントでも同様の質問をいただきましたので、私なりに見解をお話しました。

リーダーシップは、才能より経験。経験によって身につけられるもの。

これは、元USJの森岡毅さんが著書『誰もが人を動かせる!』の中で言われていることで、日本の女性は圧倒的にリーダーシップ経験が少ないことを指摘されています。

日本は、先進国の中でも国会議員、管理職、経営幹部に占める女性の割合が極端に低い国です。この原因は、女性にリーダーシップ経験を積ませる機会が幼少期からずっと極端に少ないからだと私は確信しています。
~中略~

”潜在能力の高い女性”を、ずっと埋もれさせたままの社会は非常に間違っています。

ー森岡毅さん『誰もが人を動かせる!」より引用ー

そして、先の「ガラスの天井」の構造上の問題があり、自己効力感(自分はできるという感覚)が低くなってしまう。

「女性だけが特別扱い?」と男性も、女性も言っていられない危機的状況であること、ここまで進んでいない現状に目を向けて、取り組む必要があるのではないでしょうか。

リーダーシップ経験を後押しする施策で、成功している事例をいっぱい作っていきたいです。

「女性」という言葉をあえて使わなくてもいいくらいに、女性社員に特化した活動をしなくてもいい社会を目指したいです。

また女性が幸せに働ける=誰もが幸せに働ける、ということ。今後、介護をする人も増えてくると、なおさらだと思います。女性だけを特別扱いしているわけではないことも丁寧に伝えていきたいですね。

「私にはリーダーなんて無理。自信が無い」

繰り返しとなりますが、構造上の問題があり、女性の自己効力感(自分はできるという感覚)はどうしても低くなってしまう。

イベントのなかでも、「私にはリーダーなんて無理。自信が無い」という意見がありました。

ものすごく分かります。私だって同じです。

だからこそネットワーク、コミュニティが必要。お互いの可能性を認め合い、背中を押す存在が大切になります。

たとえば「あなたなら、できるよ。」という言葉の励ましが力になることを、私も経験してきました。

自分で自分に「できない」バイアスをかけてしまう、そんな気づきが参加者にあったようでうれしいです。

「自分も気づいていない自分を制限しているバイアスも存在することを認識できました。」
「数字をもとにしてみると、まだまだ女性と男性は同じフェアな環境に置かれているわけではないということを感じた。
「女性だから・・」という意識は、女性である私たち自身の中にもある程度あるものであり、女性が自信をもつためには、その女性自身の無意識のバイアスもこれから変えていく必要があると感じた。」

今回イベントを実施してみて、率直な意見をシェアできる機会になったのが良かったと思います。放課後タイムに残っていただいた方も多くいらっしゃいました。

丁寧にひとりひとりとお話していくのは時間がかかりますし、草の根活動かもしれません。でも、「どうせ無理」とあきらめずに、一歩一歩進んでいくことが大切だなと改めて感じています。

もっと活動を広げていきたいです。

もしよろしければ、「いいね」もシェアも励みになります!
ありがとうございます!

お読みいただき、ありがとうございます!もしよろしければ、「スキ」やシェア、フォローいただけると泣いて喜びます!ありがとうございます!