あたたかい風、Cを消す
deliteC公式のツイートで、もう一年が経ったことを知る。季節は飛ぶように進む。わたしも少しは何かしら進歩することが出来ているのだろうか。振り返りながら、ひとつの心地良い記憶を手繰り寄せる。
がん治療研究を支援するこのTwitterキャンペーンに、昨年も参加した。サバイバーであることを明かしたわたしのアカウント、相互フォローの方には当然のことながらがんサバイバーが多い。同じ病と向き合ってきた人々が、より良い未来への思いを乗せて参加していた。
多分、わたしはこのツイートが一番最初。そしてわたしのようなごく小さなアカウントのある小さなツイートをきっかけとして、静かに輪が広がっていく。
藤井風さんファン界隈、通称「風民」さんたちにじゃがりこサラダ味は特別なスナック菓子。そのきっかけは、デビュー前に投稿された一本のカバー動画だ。
このツイートをみてくださった藤井風さんのファンの方が、なんと自ら参加を呼び掛けてくださったのだ。
あたたかい風が吹き抜ける季節のように、新しいツイートが芽吹いていく。呟きという名のそよ風はCを消しながら、Twitter世界の片隅を巡る。
心の中で感謝を呟きながら辿っていくと、幾つかの体験談もあった。当事者と非当事者をやわらかく繋ぎながら、先へ、さらにその先へ。
それはTwitterのあたたかさ、素晴らしい一面がよくわかる出来事だった。風民さんたちが日頃から大事にしている「HEHN精神」──HELP EVER HURT NEVER、常に助け決して傷つけない──がよくあらわれていたように思う。
また、藤井風さんがかつてラジオで発言された「明るく・軽く・温かく(生きていきたいな)」は、deleteC創始者の故・中島ナオさんによる「くらいものをあかるく、おもいものをかるく、かたいものをやわらかく。」の言葉に偶然にも不思議とリンクするように思えた。
勿論、それはわたしが勝手に感じたことで、ご本人方の意図とは関係がない。だが、もしかしたらそういう美徳は社会で軽やかに繋がっていくのではないか、そんなふうに希望を感じたことは個人的に記して残しておきたい。
今年もまた、Cを消す。キャンペーンのはじまりは9月4日、奇しくも藤井風さんの無観客無料配信スタジアムライブの日だ。公式の告知ツイートを感謝とともに引用ツイートしたところ、既に風民のフォロワーさんたちから参加表明のリプライを複数いただいた。
きっと、タイムラインには「C」の消されたじゃがりこが躍るだろう。がんサバイバーの端くれとして、とてもありがたく嬉しく思う。どうかこの気持ちごと、研究を必要とするすべての人たち、そしてその未来に届きますように。
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special thanks
呼び掛け、ならびにツイート掲載を許可してくださったmarさん(@khaos_datteba)に心から感謝いたします。ありがとうございました。
また、昨年わたしのツイートから参加してくださったみなさまに感謝します。ありがとうございました。
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」