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マイルストーン

再建手術が、ひととおり終わった。

勿論一連の手術が終わっただけで、経過観察と将来的な入れ替えがこれから待っている。
その道程を思うとき、今はまだ通過点のマイルストーン。

でも、とても達成したような感覚がある。

勿論わたしはまな板の鯉で、達成したのはむしろ主治医をはじめとした医療スタッフのみなさんだ。
有り難いことこの上ない。

有り難い。
 

◇ ◇ ◇

 
手術は無事に終わり、心配していた術後の痛みも殆どなかった。
それなりに一応の覚悟もしていたが、健常部位である鼠蹊部を植皮ドナーにしても、日常生活に支障が出ることはなかった。座る時に辛くないか、それが少しばかり気懸かりだったのだ。

形成外科の主治医は仰った。
「うん、これも本物!」

インプラント入れ替えオペのあとに同じ言葉をTwitterで呟いたことがあるのを、瞬時に思い出した。

時間を飛び越えた、不思議なシンクロ。

そんなはずがあるわけもないのだが、一瞬頭を過る。
(あれ、アカウントばれてる?)
実はちょっとだけ、焦った。仮にそうでも別にいいか。

これも本物。 

たくさんの方々が携わってくださった、新しいホンモノ。
たくさんの手と、経験と、努力と、そうした色々なものが生み出したホンモノ。
より自然に見えるように、丁寧に形作られたもの。

偶然でなく、必然から生まれたもの。

素晴らしい仕事に、その従事者に、そしてそれを支えるすべての人に感謝したい。その技術を生み育ててきた方々にも。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」