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最新MV3選

 秋に突入してからというもの、プレゼントでいただいたチケットなどもあってすっかりライブづいている。
 たまには気分を変えて、MV3選。

パジャマで海なんかいかない「Trip」

 YouTube上の表記は「PAJAUMI」になっているが、「パジャマで海なんかいかない」のMV。元々は別所のソロプロジェクトだったが、現在のバンドスタイルになった。曲名かバンド名かと戸惑われるが、パジャ海の名前は今後あちらこちらで見かけることになると思う。
 楽曲がそもそもとんでもなく格好良いのでこの世界観をどうMVに・・・・・・と思ったら最高の作品がきた。サイケデリックでクール、色彩の使い方が素晴らしい。一度ライブを観てみたいバンドだが、こうして作り込まれた映像作品もいい。
 

Deep Sea Diving Club「Left Alone feat. 土岐麻子」

 海外で評価されたバンドは幾つも思い浮かぶが、海外に先に見つかっていたバンドというのはあまり多くなく、成功例ではMONOや少年ナイフがその筆頭だろうか。
 Deep Sea Diving Clubはまさに令和における「逆転現象」のバンドで、規模は大きくないもののシティポップブームもあってか早くから海外リスナーの関心を集めていた。実際、初期に頻繁に行われていたインスタライブでは各国の言語がチャットを飛び交い、日本語のほうが少ないくらい。
 外部アレンジャーを迎えた前作「フーリッシュサマー」でブレイクの兆しを見せた彼らが放った「Left Alone feat. 土岐麻子」は、コラボレーションに土岐麻子を迎えた良曲。本作も外部アレンジャーが制作に加わっているが、多様なジャンルを栄養としてきたこれまでと同様、カービィの如くすべてを貪欲に吸収しては見事にアウトプットしていきそうな予感がしている。

 元Cymbals(というにはもうソロキャリアのほうが圧倒的に長いが)でシティポップを代表するシンガーの一人でもある土岐をMVにも迎え、「令和歌謡」というコンセプトが鮮やかに映像化されている。スタイリングやプロップスの細部に至るまでこだわりが行き届いた、見応えのある作品。

 

藤井 風「damn (Official Video)」

 デビューして僅か2年で、活動初期を締めくくるかのようなMVがドロップされた。
 彗星のように現れるやいなやシーンのド真ん中に躍り出たかのように語られることも多いミュージシャンだが、実のところ弾き語りやYouTubeでのインディーズ活動は長い。そこまでを含めて、といってもいいのかもしれない。
 山田健人監督と再びタッグを組んだ本作は、楽曲同様に過去作品のオマージュや活動の歴史が散りばめられている。謎解きのように、それぞれがあらわす意味合いについて考えてみるのもいいだろう。パナソニックスタジアムで予定されている公演は、もしかしたら今後の新たな展開に向けた第一ピリオドになるのだろうか。
 ラスト、そのぶれなさに笑った。しっかり最後まで気を抜かずに見るといい。
 
 
(文中敬称略)

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」