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月の下、37℃を纏う音楽

 showmore latesummer speciallive「frost」月見ル君想フ18周年記念ライブを配信で鑑賞した。アコースティック編成。

 showmoreの音楽には、嘘がない。歌詞にはさらりとした部分もドロドロした部分も、美しさも愚かさも人間くさいすべての感情がありながら、その音楽は最高に粋でクールだ。
 人間のもつザラッとした手触りを誤魔化したりしない。むしろそこに、魅力が詰まっている。「こうあるべきでしょう」ではなく、「それも人間でしょう?」の深み。

 オープニングから画面を突き抜けて伝わってくる熱量、圧倒的な歌唱とピアノの生み出す渦。サポートメンバーの演奏が渦をさらに増幅し、飲み込まれていく。気付けばもうとりこ。
 バックグラウンドであるジャズにR&B、そしてポップセンス。平熱から37℃を超え微熱へと向かう気怠さと火照りで溶け合い、マーブルになり、芳醇な香りを放つ。
 
 とことんグルーヴィーでファンク薫る新曲「sister」、実はギャンブルがテーマと明かしたライブ初披露「Just a moment」と続き、「bitter」「flashback」へ。

 ボルテージが上がったところで、MCを挟みこれはもしや一転ボサノバチル「summer magic」くるかと思いきや、当公演ではセトリに採用ナシ。いつかライブバージョンも聴きたいと強く思う。

 リリースは昨今ながらshowmoreのスタンダードとも言うべき「blossom」、揺るぎない名曲「I」の凛とした美しさ。こと「I」でのボーカルとフリューゲルホルンのユニゾンは、ひたすらに暖かく心に届いた。

 
【セットリスト】
aurora
marble
circus
(MC)BGM pf. :A列車で行こう
blossom
27
新曲:sister
(MC)
Just a moment
bitter
flashback
(MC)Tシャツ紹介
I
rinse in shampoo
[encore]
(MC)年末にワンマン12/16渋谷Duo発表
1mm
I love you

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」