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薔薇と後遺症

 新型コロナ感染からこのかた、咳だけがひどく残ってしまった。それも、発症から随分と過ぎてから顕著になったように思う。気がつけばnoteを書くのも10日ぶりだ。
 困り果ててかかりつけの医師に診てもらうと、やはり後遺症らしい。幸いにもX線検査にうつる肺はきれいで、肺炎ではなかった。そのため咳喘息の治療を受けている。体力を奪われるのが地味につらい。

 吸入ステロイドと飲み薬のおかげで、効いている間はそこそこコントロールができている。ただどうしても、一度咳き込みはじめると止まらなくなってしまうことがある。
 そのため、仕事と必要な買い物以外の外出は人の少なめな時間を選び、空気の比較的きれいな屋外に限っている。あまり咳き込む人が近くにいたら、やはり気になる人が多いのではないかと思うからだ。

 とはいえ体力を戻すためにも、多少身体を動かしたりはしたい。ということで、先日は薔薇の咲く公園へと足をのばした。

 強香性のもの、ほのかに香るもの。カップ咲きにスプレー咲き。オールドローズ、モダンローズ。
 あいにく時折小雨が降っていたものの、英語の諺をひくならば薔薇には恵みだ。

グラデーションが美しかった
華やかなロゼット
ルドゥーテの絵から抜け出してきたよう
この色合いがなんともいえない
Distant Drums 
可憐な花姿がいい

 ぐるりとくまなく、ゆっくりと歩く。時折観光客だろうか、海の向こうから来たらしい人々とすれ違う。みな笑顔だ。花はただ咲いているだけで人を笑顔にする。

 夜間イルミネーションも見たかったが、少し雨足が強まってきたところで帰ることにした。傘があるとはいえ、もしも身体に障ったら元も子もない。
 駐車場へ戻ると猫。あなたの庭だね、と横目に見やると、にゃあんと鳴いて柵をすり抜け園内へと消えていった。

 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」