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伝えたい人の動画レシピ

何かを広く伝える手段として、動画を選択しやすい時代になった。

ただ、作り方を知らないまま闇雲に走り出してしまう人があまりに多いので、難しいこと抜きでクオリティをちょっと上げる方法を書き記しておく。
なお筆者はYouTuberではないが、動画制作経験は多少ある。
この内容はあくまで超初心者向けであるので、ご留意されたい。

 

【用意するもの】

動画編集ソフト(無料でもよい)
カメラ・三脚(スマホでも可能ではある)
原稿用紙
ストップウォッチ
BGM(インストのフリーBGMが便利)
パソコン(スマホでも可能/要アプリ)

スマホとパソコンなら間違いなくパソコンをお勧めしたい。出来ることが多い。

 

1.構成をして台本を書こう

ストップウォッチと原稿用紙。台本を書くにあたり最低限必要なのがこのふたつ。
これすら用意したくないならば、ちょっと向いていないかも知れない。

まず全体の構成を考えて台本を書く。
口頭で伝わりやすいのは、まず一文を簡潔に。句読点が4つ以上になったら、伝わりにくさが加速していくだけ。
起承転結に気をつけて台本を書き終えたら、必ず下読みをすること。
他者を含めたインタビューや対談があるならば、その部分(もしくはそれ以降)はあけておいてもよい。大まかな時間・流れと話す内容を打ち合わせておく。
この場合、もしも最初から全てを台本ありきにすると、打ち合わせや書き手によっては伝えたいことが曲がってしまう可能性もある。ただし大枠すら決まっていないと、ただの雑談になって終わる可能性が高い。

下読みをしたことがないならば、テレビを字幕ありにして、アナウンサーを見ながらストップウォッチで速さと長さをはかるといい。あとは練習あるのみ。バラエティに寄せるか、報道に寄せるかは自由だ。
タダのお手本は活用すべし。
 
 

2.1を元にカット割りを作成しよう

カット割りは全体の構成を絵にしたもの。アニメーションにおける絵コンテと同じ。
台本があるので、一画面の所要秒数がわかりやすいかと思う。
文字で伝えたい情報が多い場合、顔出し部分とフリップやスライドを適宜織り交ぜると、見た目も良くなる。
スライドで見せる部分はカゲアナ(=顔を出さずに原稿を読む)になるため、文字情報と台本のバランスや、単調にならないようにするための見せ方を工夫しよう。

 

3.テロップ原稿を作成しよう

2にテロップ案をつけていく。
テロップは出来る限り文章にしない。
表示は一度に2行までがベスト。
短く簡潔に、箇条書きくらいがちょうどいい。
見た人が全て読んで把握できる分量を意識する。

テロップで難しい内容はフリップにする。
フリップがなければスライドでいい。


 

4.撮影しよう

撮影するにあたり、白い布や銀色のカーシェードなどがあるとレフ板がわりになる。
バッテリーや記録メディアは余裕をもって用意しておくことが必要。
身バレしたくないのであれば、鏡や窓などの映り込みには気をつけたいところ。
ホワイトバランスに気をつけて撮影をはじめよう。


 

5.素材取り込み・編集

ここは編集ソフトに応じて行う。
顔出し部分をつまむ際には、エフェクト(画面効果)からディゾルブ(オーバーラップ)を選ぶとぶつ切り感がなく自然に見える。音声もぶつ切りにならないように、適宜調整などして気をつけたいところ。
顔出しとスライドの画面転換は、カットイン・カットアウトをお勧めしたい。静止画のページ送りはエフェクトあるなしを好みで選択すればよいが、派手なエフェクトは大抵タイムロスが多いこと、見る人の注意がエフェクトにそれることに留意されたい。

テロップ案を実際に字幕にして映像につけていく。
フォントは、初心者ならば見やすさ(可読性の高さ)からゴシック体をお勧めする。色は好み云々より読みやすさを重視しよう。メリハリが大事だ。
挿入の効果的なタイミングとしては
・コメントのしゃべり出し
・強調したい部分
このふたつ。後者は、SEもつけるとより強く印象付けられる。

なお可読性から、見た人が理解できるのは1秒につきたったの4文字。画面切り替えでさらに2秒を加えて計算するといい。
露出2秒以下のテロップはほぼ飾り。頭になど殆ど残らない。

BGMをつけたい場合はフリーBGMを利用すると便利。商用対応の素材集を用意してもよいが高い。
しゃべりや受け手の理解を妨げないよう、歌なし・音量控えめにするとよい。


 

6.エンコード・書き出し

ここまできたら出来たも同然。
書き出してアップロードしよう。
公開する前に、テロップが画面内に収まっているか、ノイズなど問題がないかをもう一度確認するといい。


お疲れさまでした!
 


◇ ◇ ◇

当記事の画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしています。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」