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ニュースと眼前

 乳がんにまつわる深刻な医療ミスのニュースが出て、同じサバイバーとして心をいためている。

 いま術前の方、そのご家族、その方々の不安を解くために腐心されるだろう医療従事者、みんなつらい思いをされることだろう。 
 それぞれのお立場、それぞれの憂鬱。

 入院や手術、ifによる不安は付きまとうもの。目の前の医師と「どこかの医師」は当たり前に同一ではないものの、職業としてのみ見てしまうと切り離せなくなるのではないか。
 特に病院とは縁遠かった方であれば、そのご不安はいかばかりか。

 もしも、自分が。

 いちサバイバーとして、またかつて身内が誤診による手術を受けた者として、不安の中にある人を思う。眼前にいる人の表情が見えてくるといい。「こちらではこのような防止策を講じていますよ」という説明が真っ直ぐ、すみやかに伝わっていくといい。

 どうかあなたを思う人と、心が穏やかになる会話ができますように。また、必要に応じて相談窓口やカウンセリングなどが適切に連携し案内されますように。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」