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someday,today

 諦めていたことの幾つかについて、諦めるのをやめた6月ももう少しで終わる。
 7月も色々と動き回りたいのだが、多分おとなしく過ごすことになりそうだ。観たいものは幾つもある、欲張りになっている自分を正確に捉える。

 先々を見越した、大きめの買い物をした。今年の稼ぎから少なくない額を注ぎ込んだことになる。でも、5年以上は使えるものが良かった。5年先の自分をイメージできる何か、が良かった。
 ともに過ごし、ともに越えていくものが欲しかった、というとあまりにもセンチメンタルにすぎるだろうか。
 

 6月にいずれも渋谷で観たライブ2本はとても良く、不思議となぜか疲労からのダウンもなかった。
 Kan Sanoのライブは終わってみれば体感2秒だったし、Deep Sea Diving Clubのライブも時間の感覚がおかしくなった。この「ライブが終わったとき、2時間を2秒くらいに感じてしまう現象」に名前はあるのだろうか。素敵なことはいつだって、猛スピードで終わる。

 そういえば。ライブの克明なレポートをSNSやブログに上げられる人が、不思議でならない。盛り上がったまますべてを詳細に覚えていられるならば、それはひとつの能力だろう。すごいことだ、と思う。
 それとも、メモを取ったりしているのだろうか。仕事ならいざしらず、わたしにはその余裕はない。セトリの紙欲しかったなあ、などと今も考えているくらいだ。動きがおかしくなかったかなとか、マナーよくいられただろうかとか、そんなことを後から考えているくらいには浸りきっていた。深く潜るように。
 

 いつかの先を見ることと、今を楽しみ尽くすこと。6月は、崩れてしまったそのバランスを少しずつ取り戻すタイミングだったのかもしれない。焦らずにいたい。でも、見送り続けていたくはない。
 いつか振り返ったときに、ああ楽しかったと言えるように。
 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」