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exPoP!!!!! vol.151

 Spotify O-nestにて、入場無料のマンスリーライブイベント「exPoP!!!!!」vol.151。
 期待の新鋭を紹介する登竜門的なイベントで、過去にYouTube配信は見ているものの現地ははじめて。

SYNCHRONICITYで訪れたO-nest
今年はこちらのライブが増えそう

 今回の出演は5組。天国姑娘、Wuinguin、SWALLOW、Deep Sea Diving Club、そして幽体コミュニケーションズ。既に何度もライブを観ているDSDCのほかは、ライブはじめましてのラインナップ。そこがいい。
 フェスでも対バンでもそうだが、「○○だけ」という気持ちはさらさらない。いつも全て楽しみ尽くすつもりでいる。

 エレベーターで入場、わくわく

 入ってすぐに受付。2ドリンク制で別途1200円、だがSpotifyプレミアムに入っていると、画面提示で追加1ドリンクがサービスになる。手前の色の異なるチケットがそれ。クランベリーもマンゴーも美味なるかな。

 最前列、ステージ向かって右サイドへ。既に合流していたフォロワーさん、新しく知り合ったフォロワーさんと鑑賞。

天国姑娘

 まずは天国姑娘。女性ボーカルの男女5人組インディーロックバンド。SUPERCAR色があると思ったら、調べたところ影響を受けたバンドのひとつらしい。
 女性ドラムが全般的にいい、目をひく。この人はきっと歌もいいクチだろうなと思ったら、コーラスで案の定だった。
 昨年結成の若いバンドながら雰囲気がまとまっており、好印象。洋楽のエッセンスも強く感じる。タンバリンがよく合うが、カウベルも面白くていい。男性陣のパフォーマンスにも期待。

Wuinguin

 続いては弾き語りのWuinguin、これはこの日のミラクル。Twitterでフォローしているものの活動がなく、どうしたのかと思っていたcescoのボーカルがソロ活動を開始していたとは。
 デジタル配信済みの3曲からはじまり、未配信曲へ。3曲目は、静謐の中に鳴り響くオルガンとウッドベースすら想起させた。実際一本と声のみでこの豊かさはなんだ。
 憂いを帯びたスモーキーな歌声、祈りのような子守歌のような美しさ。ブレスひとつにも一切の無駄がない。照明もその存在感を際立たせ、圧巻だった。

SWALLOW

 3組目はSWALLOW。以前のバンド名はNo title、高校生バンドで注目を集めた人たちが改名していた。
 歌謡曲的な楽曲に、香り立つような高い表現力のボーカルパフォーマンス。上手い。このバンドのメロディーは、なかなか時代感覚をバグらせる。演奏もいい。
 小劇場で演劇を観たような、不思議な印象が残った。いやこれ、THREE1989やGOOD BYE APRIL、ベルマインツあたりとの対バンなんてあったら面白そう。

セッティング中

Deep Sea Diving Club

 4組目、Deep Sea Diving Club。ライブの良さには既に信頼を置いている。どんなセットリスト、そしてアレンジでくるのかが、楽しみ。
 「CITY FLIGHT」で幕開け。間奏に山下達郎の名曲「SPARKLE」を入れ込む洒落たライブアレンジが最高。続く「フラッシュバック'82」からMCをはさんで新曲「ゴースト」へ。MVのゴーストダンスを控えめに踊る、すこぶる楽しい。
 「フーリッシュサマー」から「Interlude(for Early Summer)」そして「T.G.I.F.」の流れは優勝。特に「T.G.I.F.」の熱量、これまでに観たどのライブよりも素晴らしかった。メンバーの弾けるような笑顔。膝をついての絶唱は未だ耳に残る。最早この曲のライブアレンジでは定番となった「いかれたBaby」のマッシュアップも、この夜はやけに新鮮に聞こえた。

幽体コミュニケーションズ

 ラストは幽体コミュニケーションズ。残念ながらこの日地震があり、心配した人から連絡が届いたり、帰りの予定を組むための途中離席などもしたが、聴けた曲はどれも素晴らしかった。
 3人であの音を奏でているのが、あまりに良すぎる。力の抜けた絶妙な空気感、場に薄く張られた糸をそっと操っているのではないかというくらいに空間が変化する。アートを感じた。

 三者三様ならぬ五者五様、大満足の内容。それぞれ違った方向にぐんと枝を伸ばした個性が集う夜、方向性の近い対バンは数あれどこういう機会は得難い。
 前夜についうっかりSpotifyのサジェストから洋楽を聴いてしまい、予習もないままだったが、いずれのステージも存分に楽しめた。活躍の場が広がるといいなと思う。


なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」