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仇討ち

勤め先で賞をいただいた。
企画から運用まで一気通貫でやり抜いた仕事での受賞だったのでもっと喜びが爆発するかと思ってたけど、みんなが支えてくれたおかげで成り立つしくみだったので部署の面目躍如になっただろうかとかそっちの方が気になって、正直受賞できたことにはホッと安心したのが一番大きかった。

私はどこまでやれるだろう、せっかく教育してもらった思考力をどこまで実用できるんだろう、それを試したい、結果を出したいと思っていた。先輩がとてもできる人で、私はあそこまで努力できないし頭も良くない、そこそこできる範囲で無理せずに頑張ってたらいいやと思ってたふしがある。それでも、生み出す力を持たないと自分を否定しながら本当は激しく嫉妬していたのかもしれない。まだやれるんじゃないか?こんなもんか?自分がゼロから考えたら違うものになるかもしれないのになぜ迎合してるのか?

衝動で一歩踏み出してみることはそこまで難しくなかった。でも続けるのは少しだけ大変だった。何度も徹夜になった。でも自分で決めて走り出したら不思議と投げ出したい気持ちにはならなかったし、駆け抜けるだけの情熱が十分にあった。何より、面白かった。

他人の才能や努力に嫉妬しながらどこか自分を諦めていたことに仇討ちをした。自分の意志でやりたいことをやりきったら今までよりも少し自由になった。

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