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残しておきたい話、完結編

様子を書き足していきます、と綴った前回のnote。

書き足すのではなく、別でnoteを書くことにして、それがこちらです。

子宮頚管無力症で入院していた私は、結果的に20週で流産しました。
お腹の中でもう少し大きくなあれ、また明日もう少し、と毎日カウントアップする日々でしたが、ある日の夜中に破水。この週数では赤ちゃんを助けてあげることは難しく、お腹から出してあげるためだけの哀しいお産をして、小さな赤ちゃんと早すぎる対面、そしてお別れ。

望んでいない結果での退院後、日常を取り戻しつつある中で改めて“残しておきたい”と思い立ち、ようやくnoteにログインしました。

よく、乗り越えられない壁はないとか、すべての事柄には意味があるとか、そんな言い聞かせ方はこれまでの人生でも自分にしてきましたし、そういう意味づけはわりかし得意な方だと思います。
今回も同じく、この流産はどんな意味があるのか、肉体的にも精神的にもこんなに痛い思いをしてこれからどうなるのかなどと考えています。
考えても涙しか出てこない瞬間もありました。どう消化したらいいか分からない時もありました。でも、お腹は空くし、ふと笑えることがあるし、ぐっすり眠れるし、そうやって日常を取り戻している実感があります。

少し落ち着いてみて思うのは、夫や家族、会社のメンバーや友人に感謝してもしきれない心からのありがとうという気持ちと、そして無理するのはやめようということです。
無理というのは、仕事もプライベートも人付き合いもTwitterも、大きいことから些細な小さなことまで、意識していたことや無意識レベルのことも含めて、全部、ですね。無理していると自覚していたわけではないのですが、今回を機にもっと無理しないでいいのかな、と思っているという感じです。

まずは会社のメンバーへの感謝の気持ち。突然入院してぽっかり4週間抜けましたが、大きなトラブルもなく、(私はいなくてもいいのかと逆に不安になるくらい)、滞りなく日常を進めてくれ本当に感謝しています。当事者として今回経験したことで、これからきっと誰かの助けや支援ができると思うのでそう活かすことで恩返ししていきます。
また、そもそも妊娠中のメンバーや産休育休前のメンバーを抱える部署に対しても、もっともっとできることがありそう。そういう視点で、声にならない声や仕事としてまだ確立されていないことそのものにも向き合っていきたいと思います。ざっくりしていますが。

続いて、夫へ。今回の一件で、大きすぎる絶対的な存在だと自覚しました。一緒に生きていくと決断したことを後悔したことは一度もなかったここまでの結婚生活ですが、再度自覚したというかより確信的なものを感じたというか、とにかく心強く寄り添ってくれるその姿勢に、物理的にも精神的にも全力で支えられていることを痛感しています。
いきなり入院、そして破水し流産、とジェットコースターのような状態で心が追い付かないのは夫の方だったはず。私はわかりやすく身体に変化があり、前進していること・回復していることを全身でこの瞬間も感じられていますが、夫はそうじゃない。夫自身はある種何も変わっていない中で、心を追っつかせつつ前に進めるというのは酷なことだと思うのです。どうか無理せず、仕事も大変だと思うけど身体と心を休めてほしい。

そして、最後に。誰というより自分以外のすべての人への気持ち。“分かってあげられないという感情”をこれから大事にしようと思っています。双子の姉と話していてスッと思えたことなのですが、「分かってあげたいけど分かってあげられないもどかしさ」という状況が悪いことでもなんでもなく、当たり前なのかもしれないなと。

自分以外の他の人の人生は歩めなくて、双子だったとしてもまったく同じ心境になることは別の人間である以上もう絶対的に難しくて。だから、分かってあげられないというこの事実を受け容れてしまった方がいいんだなと。

その分、そっと寄り添うとか、とことん話を聞くとか、ぎゅっとハグするとか、してあげられることをその時に全力でしてあげたらいい。もどかしさを感じる必要はない。もどかしさを感じていることで他の事にパワーを注げなかったり少し申し訳ない気持ちになっていたりしたらそれこそがもったいない。
分かってあげられなくてごめん、と謝る姉とこういう解釈を今回できたことで、これから分かってあげられないシーンに出くわしたとしてももう少し幅のあるやり取りができるような私になれそうです。


自分の番
うまれかわり死にかわり永遠の過去のいのちを受けついで
いまここに自分の番を生きている
それがあなたのいのちです
それがわたしのいのちです

ふと、相田みつをさんの日めくりカレンダーに目をやると、30日の今日、こんな詩。わたしが生きる今この順番、つながらなかった今回のいのち。でもわたしのこのいのちは未来にちゃんとつながっていく。だから、この自分の番をまっとうします。
これがわたしの命。感謝。


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