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シジフォスの山とモリンガ畑

今は、モリンガ畑を準備するために、日々土の山と格闘しています。

ここは元々が田んぼで、耕作放棄された後に水が溜まってハス池の状態になっていた土地です。そこにまず、ダンプカーで山の粘土土(一杯19$)を161杯、その上に畑の土(35$)を9杯入れています。まだまだ足りないのですが、現在は雨期のため、ダンプが通れる道がぬかるんでいてファームまで入れません。

上の写真がダンプ1杯分ですが、これを整地してもらうトラクターも入れず、セイハーに頼んでも断られ、やむなく自分でぼちぼちやることを決意しました。

気温20℃前後なら、それもいい運動になるでしょうが、如何せん体温越えの日々ですから、スコップで5杯運ぶのが限度。日陰に入って水分補給してちょっと休憩し、スコップを持ち直して再び土の山に挑んで、また休憩。そう、まるでシジフォスの山のようです。

だいたい1日50杯運ぶとほんの気持ちだけ土の山が小さくなり、「あぁ、今日の労働も終わり……」とつぶやいて、家路を急ぐ日々が続いているわけです。あと1か月くらいはかかるかなと思っています。

同時に、現在の家の庭のモリンガを1,2本ずつ私の車に積み込んで移植しています。こんなふうにセイハーに根っこをブチ切られた2年モノの木の方に、なかなか新芽が出ないのがあって心配しています。

1年モノの方はむしろ根がほぼ残っているわけだから、すぐに活着してぐんぐん新芽が成長し出します。これらの写真は、植え替えてほんの4,5日後、ほんとうに生命力の強い木だと思います。現在、10本ほどを移植しました。まだ大物が4本残っています。あと、挿し木したものが何本か活着すると思うので、とりあえずは、全部で30本ほどが、トッケイファームのモリンガ畑になります。

移植にあたって枝をすべて伐っているので、葉っぱもかなり収穫できたわけで、陰干ししてお茶にして毎日飲んでいます。薄めのほうじ茶といった感じでとても飲みやすく、カンボジア人にもとても好評です。

このお茶の商品化と村の空き地に栽培を広げることが当面の目標なのですが、今日、カオンと話していたら、「村人は自分の空き地にモリンガを植えたがらないだろう」というのです。えっ?と思ったのですが、理由は、空き地には草を生えさせて、その草で牛を飼っているから。

モリンガの葉も食べてしまうので、木が育って高くなるまで少なくとも1年くらいは牛を入れられず、村人は望まないだろうというのです。なるほど……納得の理由ですが、まぁ、儲かる商品作物ともなればね……。あせらずあわてず、ゆっくりとカンボジアタイムでやってゆきます。


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