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是がまあ つひの栖か 四畳半
今を去ること半世紀以上、高校を出た私は名古屋から国鉄東海道線準急東海号という夜行列車に乗って上京しました。「女は家を出てまで大学に行く必要はない」という大正生まれの父の反対をおして、母がくれた10万円のヘソクリをギュッと握りしめ、誰一人として見送る者なし、夜逃げ同然の大人への旅立ちでした。
最初に住んだのは、西武新宿線野方というところにあった、友成荘という3畳一間のアパートで、以来、定住性に欠ける私はいったい何度引っ越しをしたのだろうかと、昨夜あれこれ書き出してみました。
きちんと思い出せただけで42回、居候とか安宿暮らしなどを含めると、少なくとも50回は引っ越しをしていると思います。そして今回、ついに私は人生で初めて″自分の家″を持つことになったのです。
どうでもいい前置きが長くなりましたが、トッケイファームの建物は完成しました。室内の調整、電気工事などはこれからです。
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7月18日 左からトイレ、シャワールーム、キッチンそして右端が私の部屋で、キッチンと繋がっています。室内はスマホのカメラでは、何とも撮りづらいのですが、3m×3mの四畳半。天井に扇風機も付け、窓も2つ、網戸もつけたので、少なくとも乾季の間はここで寝られると思います。4月、5月の40℃越えの時期は多分無理だと思うので、その時になったらまた考えましょう。
とまれ、人生初めての賃貸でない自分の部屋です。ここをどのように合理的に使ってゆくか、それをいろいろ考えるのも楽しみです。目の前はモリンガの畑。野菜とハーブも作ります。犬と猫と鶏も飼います。野鳥のエサ台もいくつか取り付けます。日の出も落日も、地平線こそ見えないのですが、樹木の葉陰にうっとりする姿を見せてくれます。
今はまだ電気が使えないので、子ども達の″にほんご教室″は移転してきていませんが、Wi-Fiを設置して、私の古いパソを使った″楽しいにほんご″教室にしたいといろいろ考えています。
齢75年、いろんなことがあったけど、いよいよここが自分の″ついの棲家″になるのかなぁとしみじみ思う今日この頃です。ア、でもまだわかりません。
*表題の句の意味がピンと来ない若い人たち向けにちょっと蛇足。江戸時代の俳人小林一茶が、長い漂泊の末、50歳で雪深い信濃国柏原(現在の長野県信濃町) に帰郷した時に詠んだ句、「これがまあ つひの棲家か 雪五尺」をもじったものです。
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