年齢を重ねた自分の好きなところ
年齢を重ねることはコワイ。
そう感じるのは自然なことだと思う。
女性だったら「美しさ」を失ってしまう気がするだろうし、身体的には今まで出来たことが出来なくなってしまうという恐れもある。
私は人一倍年齢を重ねることを受け入れられない人間だった。
それでも、色んなことを経て段々とその考えは緩んできたように思う。
今も「早く歳を取りたい!」とまではなかなか思えないのだけど、年齢を重ねることは誰にだって平等に与えられたものなのだから、やっぱりそれは楽しんだ方がお得だ。
そんなわけで、私が今感じる「年齢を重ねることで得た喜び」みたいなものについて書いてみようと思う。
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正直なところ、私は洋服が苦手だ。
洋服が、というか、コーディネートが苦手なのかもしれないが、少し気を抜くととてもダサい格好をしていることがある。
そういう自分に気づいているし、改善したいとも思うのだが、ファッション雑誌を読み漁ろうとか街ゆくオシャレさんを観察してみようとか、そういう気も特に起きない。たぶん、結局あまり興味がないんだろうと思う。(でもダサい格好はしたくないしオシャレだとは思われたい。)
そんな私だから、いつも買い物にとても時間がかかっていた。
どっちがよりおかしくないかと二つの店舗を何度も行き来してみたり、『スカート 柄物 30代コーデ』とかショッピングモールの廊下で検索して、ある程度は流行に合ったものを買わなくてはと思索してみたり。
大体買い物の終盤にはワキ汗びっしょり。自分のペースに合わせてもらうのが申し訳ないので友達と買い物になんて行きたくない。
それがここ近年、なんだか買い物の時間が短くなっている気がしている。
急にオシャレになったとか、逆にオシャレを諦めたとか、そういうわけではない。
おそらく、「自分に似合うもの」がわかってきたんだと思う。
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人一倍、洋服を捨ててきた。
「きっとこれはオシャレだと思う・・・!」
と購入したものの、しばらくすると
「なんか違う気がする。。」
とあっという間に着なくなり、クローゼットが手狭になればバンバン捨てていた。そこそこの値段のものを買ってしまうこともあるので、本当に勿体ない買い物の仕方をしているなと思っていた。
そんなことを繰り返しているうちに
「この形は流行ってるけど、たぶん私が履くと足が太く見えるぞ」
とか、
「このピンク、かわいいけど私の肌の色には合わないから結局着なくなるな」
とか、
試着しなくても何となく自分に何が合っているのかが分かってきたのだ。
きっと本当のオシャレさんはそういうことを中高生の頃に意図的に繰り返してオシャレを身に付けたんだろうけど、
私の場合は単に年齢を重ねると同時にイヤも応もなく身に付いてきたのだろう。
そしてこういうことは、洋服以外でも起きてきているように思う。
「この角度が写真映りいいぞ」にはじまり、
「この感じはもうすぐ熱が出るな」とか、
「都会よりほどよい田舎の方が落ち着く」とか、
「この飲み会行ってもたぶん疲れるだけだろう」とか。
それから、「こういう振る舞いをすると私の場合は人にこう見られるな」みたいなことも。
実際に起こる前に、経験則でわかることが年々増えてきていて、
そしてそれが心地良いのだ。
買い物に時間がかからなくなったように、何かを選択する時間が短縮され、選択に迷う苦しい時間から以前より解放されるようになった。
20代の頃は真っ白で、どっちに行けばいいのかハラハラしてしまうような地図だったけれど、今はうっすら自分なりのガイドラインが浮かんできたような。
簡単に言えば、「生きやすくなった」のかもしれない。
調子が悪いときは仕事したって良い結果にならないから会社を休む決断をすぐするし、気が合わない人とはどうしたって合わないから、無理して仲良くしようとは思わない。
大勢の飲み会はそれほど好きではないのだが、それを断ったところで、別に嫌われるわけでないのも分かっている。(そもそもそれで嫌うような人達とはとっくに付き合っていない)
結局、オシャレな人というのは「自分に似合うもの」をわかっている人なのだ。「生きやすい人」というのもきっと。
人間、可能性は無限大。
今日家具職人だった人が、明日ダンサーを目指したって別にいい。
ただ、何の根拠もなくがむしゃらに目に付いたものに手を出すのと、自分に似合うという直感のもと動くのとではやはり違う。
でもそれは沢山の失敗を繰り返してきたからこそ手に入れた直感なのだから、
がむしゃらな段階にもそれはそれで意味があるんだけどね。
私だって恋愛においてはまだまだ白地図に毛が生えた程度でがむしゃらだ。笑
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ちなみに、洋服に関しては、そもそも「洋」服が似合わないのではないかと最近思い始めている。アフリカ服とか、インド服とか、和服の方が選ぶの楽しいししっくりくるのよね。
ちなみにちなみに、年齢について書いたnoteは良かったらコチラもどうぞ。
おしまい。
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