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百貨店がない唯一の県、山形。

昨日GODIVAの攻めの姿勢に感銘を受けた話を投稿しましたが、今日は逆に攻められず倒産してしまった、我がふるさとの百貨店について・・・


年明けて、大沼破産のニュースが飛び込んできた。これで、山形県は日本の中で唯一、百貨店の無い県になってしまったそうだ。

山形県民しか共感いただけないだろうが、大沼といえば、母ちゃんの気合い入れた時の主たるお買い物先。かつて高校生がお年玉握りしめて、イーストボーイのマフラーや靴下を買いに行く特別な場所(年がばれる)。大沼で食料品を買う=セレブ。というようなふるさとでのステイタス構成に欠かせない場所であった。かつては。

しかし、帰郷のタイミングでたまに買い物に行っていたが、とにかくお客がいなかった。お客がいないから、従業員にも活気が無い。「アチャー!これは…危険だ」と感じていた矢先、米沢店が閉店。不採算店舗だったそうだが、3店舗しかないのに1店舗不採算で閉店て、その時点で先は見えているようなものだ。

直接的な破産要因としては、

①消費税増税による購買意欲低下、クレジット決済増加によるキャッシュ不足。

②台風影響(本当に関係ある?)。

③投資ファンドによる経営混乱。

だそうですが、これらはきっかけにすぎず来るべくして来たと感じるのはきっと私だけではないはず。

個人的に大沼(米沢店)の苦戦の大きな要因は

①お買い物エリアの変化。

②狙う顧客層を変えなかった。

③顧客が求めるテナント変更、商品揃え、イベントを行わなかった。

の3つかな〜と思っている。

車で10分ほど離れた場所にAEONができてから、その周辺に続々と全国チェーンの量販店や飲食店がどんどん増えて、かつての大沼のある商店街からどんどん店舗が無くなり飲み屋街になってしまった。そうなると、今までのターゲットだった奥様層のお買い物エリアはAEON周辺に変化。一方、商店街にはおじさまや大学生、近隣の高校生などがうろうろしている。うろうろしている人達は、組曲のような単価のお高いお洋服なんて買わないのだ。

ネット通販が主流になっている今、「そこに行かなければできない魅力的な体験」をいかに創出できるかが、店舗に足を運ぶ動機になる。私はどうしても、百貨店主催の「北海道海の幸展」とか、「全国駅弁展」とか食べ物のイベントに惹かれてしまう。これが、百貨店にいく動機になるのだ。

必要なものは、ネットで買える。必要に駆られて出かけるのでなく、いかにワクワクして「何か良いものがありそう、体験ができそう」と想像させられるかが大事。

我らの大沼は、実は320年の歴史があったらしい(知らんかった)。その歴史が突如閉じてしまったが、我々は320年の歴史があるから買い物に行くのではない。ワクワクして買い物して買った後も満足したい。歴史はその体験に対し、信頼と親近感という付加価値でしかない。

突然の破産申請で、その信頼も歴史に付随しないと分かってしまったけど(悲しい)…。

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