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私が子宮頸がんになった話vol.5 入院①

子宮頸部の円錐切除術を受けることになり、入院前日に看護師と入院の流れを確認した。その日の夕方、別途病院から最終確認の電話が入り、いよいよ翌日から入院となった。

2泊3日の入院はちょっとした旅行気分で、少し楽しみでもあった。子ども達と2泊も離れるのは初めてのことで、久しぶりに自分の時間が取れるのは単純に嬉しかった。母に見送られ、手術前日の午前中に病棟に入った。お昼ご飯を美味しく頂き、時々昼寝したり、Netflixを観たりしながらゆっくり過ごした。活字はあまり読む気になれず、本はお休み。午後に執刀医と面談して手術の説明を受け、同意書を何枚か書いた。この治療が、任意であることを再確認する。夕飯後にはコンビニに行き、おやつを買い、またのんびり。手術前の緊張はほとんどなく、ぐっすり眠った。

翌日は「午後手術」とだけ決まっていて、本当に確実な時間がわかるのは手術の10分前くらいとのことだったので(前の手術の進み具合によるそうだ)気になりながらも相変わらずのんびりしていた。朝から禁飲食で、10時頃から点滴をし、11時頃「手術は15時頃になりそう」と聞いて夫や親に連絡した。15時前に「この後手術です」と看護師さんが手術衣を持ってきた。さっと着替えて出発。手術室へは歩いて行く。名前と手術内容に間違いがないかを確認し、手術台に上る。テキパキと進む準備。背中から麻酔(脊髄くも膜下麻酔)が打たれる。ズキーンと響く。唐突に帝王切開で出産したときの記憶が蘇る。だんだん感覚がなくなるぼんやりとした恐怖、メスが入ったときに「麻酔が効いてなかったらどうしよう」というはっきりとした恐怖が一瞬で頂点に達する。ここで、この気持ちが抑えきれなくなるとパニックになるんだろうな、と思いながら心臓が爆発しそうな時間が2,3分あった。その後は、だんだんと気持ちが落ち着いてきて、されるがまま、ぼんやりとして全てをスタッフに委ねた。

手術が終わり、切り取ったものを見せてもらう。イカの切り身みたいな感じで、ごく小さな黒い点がいくつか見えた。
病室のベッドに乗せ替えられてそのまま病室へ運ばれる。意識はあるので、手術終了を自分で家族に連絡。術後4時間経って、夕食が出る。朝から絶食だったので美味しく頂いた。夜はそんなに眠くならず、1人の時間が惜しくてNetflixで「離婚しようよ」を全制覇した。

翌日、朝食を食べて医師の確認があり、特に問題なく退院となる。休日だったので、夫が子どもたちを連れて来てくれ、家族と共に帰宅した。術後の体は下腹部に少し痛みがあるかな〜ぐらいの感じで、少し出血があるため、ナプキンを当てていた。

1ヶ月後、ついに”がん or not”の検査結果が出ることになるのだが、あの”イカの切り身”を思い出すと、ある程度覚悟は決まっていたのだった…。



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