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私が子宮頸がんになった話 vol.12 入院②地獄の2日目

術後2日目。術後から寝かされている枕のない真っ平なベッドから、看護師さんの補助で起きてみた。クラっとくる。そのまま少し休んで、立ってみた。途端に吐き気に襲われる。看護師さんから受け取った袋に戻してしまう。少し休んで再び立って歩こうとしたものの、吐き気が酷くて動けない。
「今はここまでにしておきましょう」と言われ、ベッドに横になる。結局その日は、時間を変えて再度同じことをしても状況が変わらず、寝ているしかなかった。文字を見るのも辛く、携帯もできれば見たくなかったが、同僚に手術が無事に終わったことだけは知らせないとと短文を送った。
背中の痛みでどこを向いて寝たら良いかわからずたびたび姿勢を変えてゴロゴロし、ベッドの角度を変えてもらうも、角度が少し違うだけで急な坂道に感じられ、また元に戻してもらった。何が自分にとって心地良いのかがつかめず、とにかく体が辛かったので、看護師さんにそう伝えると氷枕を持ってきてくれた。これが気持ちよく、やっと少しうとうとできた。昼から食事が出たが、何も食べられず、水を飲むのもやっとという1日だった。

「手術の翌日から食事が出る」と聞いていたので甘く見ていたが、顔すら洗えない。手術前に臨床試験で沢山の人に見られるから…いや、正直に書こう。若い男性医師が多いから「少しでも肌を綺麗に見せたい」と化粧下地を塗ったことを後悔した。落とせてない化粧下地…肌に絶対良くない。
水すらほとんど飲めない状況に、看護師さんが点滴するか先生に相談すると言っていて、自分でもこの状況が良くなるのだろうか? と思っていたところ、夕方執刀医の先生が術衣を着たまま現れて、「明日になったらだいぶ良くなるから、今食べられなくても大丈夫大丈夫‼︎と言って去って行った(たぶんその日も手術で忙しいのだろう)。嘘だろ、と思った。楽しみにしている子ども達とのビデオ通話もとても出られる元気がなく、断ったほどだよ…?

消灯してからも背中の痛みに体をゴロゴロさせていた。そういえば手術の説明のとき、「手術のときに使用した炭酸ガスが抜けるまで胃が圧迫されたり、肩が痛いことがある」と言われていたのを思いだした。確かに全然食べる気にもならないし、肩もそうだけど背中が痛い…。そうこうしているうちに、うつ伏せだと背中の痛みを逃せることがわかり、傷のあるお腹を下にする勇気を振り絞って(そもそもうつ伏せになって良いのかな不明だったが、看護師さんの巡回時にその姿勢を見て特に何も言われなかったのでたぶんOK)、壁によじ登るような姿勢でベッドにしがみついて眠った。

辛い1日だった。

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