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私が海外大の授業みたいなBook Club Programの企画に至ったわけ

“I want something that feels like I’m enrolled in a college course.”

Book Club Programは私のこんな思いから誕生しました。
(Book Club Programは、私が運営するEnglish Library Cafeが提供する洋書を読んで英語でディスカッションをするプログラムで、いわゆる「英会話レッスン」ではなく言語の4技能をふんだんに使う経験を通じて自分の語学における課題の気づきを促したり英語習得のモチベーションを上げたりすることを目的としたものです)

私が人生の中で英語習得が飛躍的に進み「あ、次のレベルにきたかな」と感じたのは、圧倒的にアメリカで大学生をしていた頃だったと思います。学生寮の友人との会話よりも、大学の授業がいちばんその頃の私の英語力を押し上げてくれたと思います。

授業は常に相当なプレッシャーがありました。GPAが著しく下がれば国外退去になる、単位を落とすものなら親の大事なお金をドブに捨てることになる(為替が1ドル136円!)。私は言語学専攻、人類学・フランス語副専攻でしたので、リーディング、ライティング、ディスカッションの量が他の専攻の友人と比べても著しく多く、毎週1クラスごとに100ページ以上読み、授業中に行われるディスカッションの準備をしていかなくてはなりませんでした。当時、Google翻訳などという便利なものもなく、わからない単語やフレーズは辞書で一つ一つ調べるしかありませんでした。当時の英和電子辞書だと収録語数や用例が不十分で日本語を読んでもしっくりこないので、ネイティブと同じ英英辞典や類義語辞典を使い、目の下にクマを作りながら頑張っていました。ただ、時間が足りないのです。海外子女とはいえ、読み書きのスピードが遅すぎて、授業や締切までに間に合わない。英語がノンネイティブだというエクスキューズなどは許されず、容赦なく課題やディスカッションが降りかかってくる。時間内にディスカッションができるように課題を読み切るには、一文一文精読していては間に合わない。要点を理解しようとしながら読み、わからない単語についてはポイントになりそうなものから優先的に調べる。最後まで読んでも自分の中で辻褄が合わない部分は時間が許せば何回も読み返す。どうしてもわからないポイントは、タイミングがあれば授業中に質問できるように疑問をメモしておく。このようなことを繰り返し4年間の大学生活を過ごしました。

その結果、英語のリーディング・ライティング・ディスカッションの力が飛躍的に向上。英語の語学レッスンではなく、あくまでも他の学問を英語で追求する過程のなかで、自分が不足している英語力は何かを自己分析し、それを少しずつ克服しいていく(この克服の過程では語学の側面でのレッスンを受けたことはあります)というIntensiveなlearn by doing (英語料理教室、英語子供サッカークラブなどに似ていますね)が当時の私にとって非常に効果的だったのだと思います。大学1年の頃のGPAが足を引っ張りましたが、おかげで最終的にある程度良いGPAで無事卒業することができました。

2006年に日本に帰国し、大学院卒業後社会人になり、英語の学び直し・さらなる向上を目指したいと感じるようになった時、この大学生の頃の経験を思い出しました。質良い洋書を読んでディスカッションをしたら英語力が総合的に上がるのではないか。ならばMBAか社会人留学かとも考えましたが、学位をとるまでのコミットをする気はありませんでした。

「社会人が受講できる時間帯に、海外の大学の授業のようなクラスを、程よいプレッシャーや刺激を感じながら、単発で気軽に受講できる仕組みがあればいいのに。」

これがEnglish Library Café のBook Club Programの原点となっています。



ご興味を持っていただいた方は、www.englishlibrary.jpでEnglish Library Cafeの活動やプログラムをご確認いただけます。


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