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年末までに注目している銘柄2選


最近の相場の特徴

日米ともに株式市場は厳しい相場が続いていますね。

株価が下がっている理由

理由は主にアメリカの長期金利が上昇し続けているからです。
米10年債で現在おおよそ5%弱の数字となっています。

株価と国債利回り、何の関係があるの?
と思われる方も居るかと思いますが、
非常に大きく関係しています!

多くの投資家は、当然ですが、
より大きなリターンが見込める投資先に投資をしようとします。

FIREをする為の資金

例えば経済的に早期にリタイヤをすることを意味するFIREを目指す時に、
年利4%くらいで増えていくと仮定して、
その上で自分の生活費から逆算して資金がいくら必要かを計算します。

そうすると、FIREする為に必要な資金は、
投資資金から年利(4%)という数字を割ることで
算出できます。

別の言い方をすれば、
上記の計算式から、
年間に必要な生活費の25倍の資金を用意できれば、
FIREが可能になることになります。

仮に年間の支出が、400万円の人は、
1億円の資産があれば、
資金を減らすことなく生活していけることになります。

1億円の年リターンは4%とすると、
400万円になりますので、
株式市場で年平均リターンを4%出していけば、
資産を減らすことなく、
生活していけることになります。

ところが現在は
株式市場で運用するより、
米国債を購入した方が、
よりリスクが低く、
より高いリターンを得ることが可能な状態になっています。

年平均4%と言っても、
株式市場の場合は、金融ショックやコロナショック等のように、
どうしても時期によっては大きく下落するリスクがあります。

国債の状況

一方国債は、特にアメリカの場合は、
よっぽどのことが無い限りデフォルトせずに、
さらにほぼ元本保証に近い状態で
運用することができます。

国債は満期まで売らなければ、
基本的には金利が保証されていますので、
株式市場よりも安全に運用していくことができます。

しかし投資の基本は、
より安全な投資先の方が、
基本的にはよりリターンが低くなります。

リスクの高い投資先の方が、
よりリターンは多く求めることができます。

しかしながら現在は、
より安全に運用できる国債の方が、
株式市場で得られるであろうリターンよりも
多くなってしまっているのです。

そうなると、当然多くの投資家は、
株を売って、国債を買おうとすることが分かります。

このような背景があり、
国債利回りが高くなればなる程、
株式市場は売られる状態になっているということです。

株式市場が上昇する時期

では、株式市場は今後上昇していく為の条件は、
やはり国債利回りが低くなっていくことが条件になってきます。

そして、著名投資家のアックマン氏が8月に
インフレ圧力の長期化とアメリカの財政赤字が拡大することを予想し、
長期国債を売っていることを明らかにしました。

しかし、今週、中東情勢によって、
長期国債を売り持ちにすることは、リスクが高すぎるとし、
さらに経済が減速しているデータもあるということで、
国債を買い戻したことをXでポストしました。

これにより、国債金利が低下したことで、
株式市場は上昇することになりました。

さてこの流れを受けて、
日米ともに、多くの銘柄が上昇しましたが、
ただやはり上がる銘柄が上がっていましたが、
下がる銘柄は続落するというような相場でした。

買われる銘柄の条件

この動きを見た上で、
今後年末にかけて、
日本株でどの銘柄が上昇していくのかを
探してみました。

相場は、自分が良いと思った銘柄が上昇するわけではなく、
多くの人が良いと思った銘柄が上昇するようになっています。

結構これは重要な考えです。

よく相場は美人投票に例えられます。

美人投票というのは、
一番多くの人に美人だと票が集まった人に
投票した人が勝つゲームです。

なので、いくら自分が美人だと思った人に投票しても、
他の人が美人だと思っていなければ、
ゲームには勝てないのです。

相場も同じで、
自分が良いと思った会社でも、
多くの人がそうは思っていなければ
残念ながら上昇しないのです。

今の相場は、上記の通り、
国債利回りに非常に大きく反応して動いています。

多くの人が、国債の利回りと比較して
株式を売買していることが分かります。

その上で、年末にかけて
多くの人は、どの銘柄に票を入れようとするのか、
どの銘柄を注目すればいいのか、
これをご紹介します。

年末にかけて注目したい銘柄の背景

それでは年末にかけて
注目したい銘柄をご紹介します。

現在の相場で注目されていること

まず現在は、やはり金利が非常に意識されています。

多くの人が国債を意識しているということは、
多くの人が、より安全に着実に利益を狙っていきたいと思っていることが分かります。

その上で、どういった銘柄に注目すれば良いかと言いますと、
やはり高配当銘柄になります。

最近上場したような会社や、
まだまだ赤字が続いているような会社、
先行きも明るくないような会社、
利回りも高くないような会社は
やはり現在は避けられがちになります。

もちろんコロナ相場のように、
グロース株で
とにかく赤字でも、
売り上げ成長しているような会社であれば
どんどん買われる相場もありますが、
少なくとも現在はそうではありません。

自分はいくらこの会社は良いと思っても、
他の投資家が守りに入っているような時に、
グロース株等に投資をしても、
中々利益になりません。

これは多くの人がダメージをくらっているのではないかと思います。

ですので、今は美人投票に例えて言うなら、
極力リスクの少ない会社で、
なおかつ先行きが明るい、
そして利回りが高い銘柄を中心に選んでいくべきなのです。

さらにセクターを考えても、
現在日本ではインフレが加速している状態です。

過去の相場との比較

過去日本でインフレが起きた時のことを考えてみますと、
戦後からバブル期にかけて
インフレが発生していました。

この時、大きく値上がりしたものは、
株式市場はもちろんですが、
もう一つ、不動産市場も大きく上昇しました。

株式市場と同時に上昇するもの

当時は、不動産価格が上昇し過ぎて、
一般の人が不動産を買えないではないかということで、
国民から大批判を浴びたことで、
政府からの要請で日銀が利上げをし、
不動産価格を抑え、
そして株価も下落させたことで、
バブルが崩壊していきました。

この流れを見ると、
インフレ時は、
株価が上昇することと、
さらに不動産価格も上昇することが分かります。

現在の外部的要因

先ほど現在多くの人は、
より安全な資産で運用していきたいということをお伝えしました。

不動産というのはやはり目に見えるものですし、
急に紙屑になるようなことはあり得ません。

ですので、多くの日人は安全資産として見ています。

仮に価値が下がったとしても、
最悪自分が住めば良いので、
そういった意味でも、
安全資産として見られている面があります。

さらに、日本では、外国人が日本の不動産を
持つことができます。

多くの国では、外国人が
その土地を持つことは禁じられています。

そしてコロナが明け、
外国人が日本にも行き来できるようになりました。

その外国人の中で中国人に注目します。

中国はゼロコロナの影響で、
想定よりも長く景気後退が続いています。

これにより株価は大きく下落しています。

外国政府の状況

中国政府の規制により、
無理矢理株価を下げさせられているという見方もあり、
中々中国人は、株を買おうという気にはならないでしょう。

では不動産はどうか。

中国では不動産を購入することはできますが、
これは厳密に言うと、
「不動産を持つ権利」が買えるということでしかありません。

中国の場合は、共産党が、何かあった時は、
国民の土地を急に取り上げることが可能です。

もちろん中国人もそれを知っているので、
中々中国の不動産を購入する気にはなれません。

急に取り上げられてしまうかもしれないものを
投資先として買うわけにはいきません。

では、日本の土地を買えばいいではないか、
となるわけです。

こんな近い国に外国人でも買える不動産があるとなると、
当然中国人は日本の不動産を買おうとすることが分かります。

さらに現在は歴史的な円安です。

バーゲンセール状態

これは外国人からしたら、バーゲンセールのようなものです。

日本の土地をかなり安い価格で買えるということです。

このような状況ですので、現在は日本の不動産価格は
大きく上昇している状態になっており、
これは今後も続くことが予想されます。

注目するべきセクター

そうなると、注目したい銘柄としては、
不動産関係の銘柄ということになります。

しかしながら不動産関係の銘柄といっても、
色々な銘柄があります。

今の時期に注目するべき銘柄

さらにそこから絞って、
配当利回りが高い銘柄で、
さらに来期にかけて増収増益が予想できるような銘柄、
さらに、早く配当が欲しいという投資家も多いはずなので、
10月、11月、12月が配当の権利取りができる銘柄を探しました。

これらの条件に当てはまるのが、
以下の2つの銘柄になります。

注目したい具体的な銘柄紹介

グッドコムアセット(3475)

トーセイ(8923)

上記2銘柄はプライム銘柄になります。

スタンダードでも良さそうな銘柄がありましたので、
おまけとしてもう1銘柄ご紹介させて頂きます。

ムゲンエステート(3299)

になります。

それでは、一つずつ見ていきます。

1つ目の銘柄の詳細

グッドコムアセット(3475)

こちらは投資用マンションを販売している会社になります。
主に投資科向けということで注目しています。
また台湾と中国にも現地法人を持っており、
中国人等の富裕層や投資家に向けたアプローチも
積極的にできると言えるでしょう。

またこちらの会社は、オフバランス・シートと言って、
独自の仕入、先行コスト削減、資金効率向上を行っており、
非常に高い資金効率で運営しています。

通常の不動産会社の場合、土地を購入し、
そこで建物を建て、その後で販売するという流れになります。
この場合、どうしても、資金が2、3年は寝てしまうことになります。

しかし同社は、借入をせずに手付金のみで仕入をし、
土地を抱えないので、非常に資金効率が良い仕組みを取り入れています。

ですので、資金の回収が他社よりも早く、
ROEも他社と比べて高いです。

そして通期業績推移です。

通期業績推移

売り上げ、営業利益ともに綺麗に右肩上がりです。

ただ、9月11日発表の3Q決算では、
累計では、減収減益とはなったものの、
不動産販売の場合、1棟当たりの単価が高く、
四半期ごとでは、大きなブレがあるようで、
あくまでも通期で見ていくべきで、
会社側も、当初の予想から変更はありません。

また不動産の場合、今後の日銀の金融政策変更等が懸念されますが、
インフレ下では、金利以上に不動産収益を生んでくれることが期待され、
また多くの不動産会社でも、仮に金融政策変更があった場合でも、
影響は軽微と見ている会社が多いです。

日本の場合は、国債をGDP比に対して
250%以上も発行しており、
他国と比べて、そう簡単に利上げができない状態です。

ですので、昨年の各国が行ったインフレ対策の為の利上げのような
上げ方は、日本では難しいのではないかと考えています。

そうすると、日銀の政策変更発表が行われた直後は、
不動産関連株は、一時的に下落する可能性はありますが、
長期では、冷静に考えると、利益に対して軽微だということが分かり、
また再度買われていくと予想しています。

ちなみに直近では10月31日に日銀の金融政策決定会合が控えていますので、
そこで何かしらの修正があれば、一旦は不動産銘柄は下落する可能性はありますが、
有望な銘柄は、そこが押し目となって再度上昇することが期待されます。

ですので、押し目を狙っていくのも一つの手だと考えています。

そして気になる配当金ですが、
5期連続で増配中です。

1株配当推移

年々増配している会社は、
今は非常に注目されますので、
こちらの会社も注目されて推移していくでしょう。

現在執筆時での配当利回りは、
3.79%となっております。

同社は10月決算ですので、
「権利付き最終日」は2023年10月27日となっています。

2つ目の銘柄の詳細

トーセイ(8923)

こちらも不動産サービス会社になります。

同社は、不動産再生、開発、賃貸、ファンド・コンサルティング、ホテル、管理の6つの事業を行っており、
高い収益を求めるとともに、
安定性も期待できる事業モデルとなっています。

そして通期業績推移です。

通期業績推移

2020年は営業利益は一旦落ちましたが、
今期来期ともに、順調に伸びているのが分かります。

そして今期の進捗状況ですが、
既に3Qで予想をほぼ達成しているような状態です。

どこかのタイミングで上方修正が期待されます。

今期進捗状況

そして配当金の推移です。

配当金推移

2020年は一旦減配となっていますが、
その後は順調に増配していることが分かります。

現在執筆時での同社の配当利回りは、
3.49%となっており、
こちらも比較的高い状況です。

こちらの会社の決算月は11月ですので、
「権利付き最終日」は11/28(火)となっています。

おまけでもう1銘柄

ムゲンエステート(3299)

こちらも良さそうでしたので、
おまけでご紹介します。

上で紹介した2社はどちらもプライム上場銘柄になりますが、
今回のムゲンエステートは、スタンダード市場の銘柄になりますので、
おまけとさせて頂きました。

現在のリスクオフ時では、
新興企業よりも、
プライムに上場しているような会社の方が、
幾分安心して買われやすいという意味もあり、
上の2社をご紹介させて頂きました。

今回のムゲンエステートは、スタンダード市場の銘柄になりますので、
資金にさらに余裕がある場合には、
注目するといった目線で注目するといいのではないかと思います。

こちらは不動産買取再販会社になります。
首都圏で中古マンションをリフォームして転売しており、
また投資用も行っています。

決算書にも記載されていましたが、
やはりインバウンド等や海外投資家等の需要が旺盛で、
不動産価格が上昇し、
同社にも恩恵があるようです。

業績推移ですが、
一旦落ち込んでいる時期もありますが、
今期、来期で急回復していることが分かります。

こういった急回復しているような会社は、
見直し買い等も入りやすく、
注目しておきたい銘柄です。

通期業績推移

そして配当金に関しては、
先日7月に大幅に増配を発表しました。

年間配当推移

現在の配当利回りは、4.41%となっており、
非常に高いです。

こちらは決算が11月14日となっており、
「権利付き最終日」は11/28(火)になります。

以上、年末までに注目したい銘柄を
2社プラス1銘柄おまけでご紹介しました。

アメリカの長期金利が中々下がらず、
これは今後も当面続くことが考えられます。

アメリカでは11月17日に債務上限を控えており、
現在もまだ下院議長が決まっていない状態です。

これが今後も何度も続くことで、
アメリカ国債の買いてがおらず、
どうしても金利は高止まりすることが予想されます。

そうなると、当面はグロース株よりも、
配当利回りが高く、
また大型株、プライム上場銘柄に
資金がいきやすくなります。

ただ不動産セクターで一つ懸念点を上げるとしたら、
日銀の政策修正です。

昨年の12月から、日銀はYCCの修正を何度か行ってきており、
日本の長期金利は少しずつ上昇傾向です。

長期金利が上昇している中、
政策金利はマイナスを維持し続けることで、
長短金利差の拡大により銀行株にとっては追い風ですが、
借入金利が上がることで、不動産業としては、
逆風になります。

これが懸念され、日銀のYCC修正や撤廃、
ないしはマイナス金利解除、さらには利上げの思惑等から、
不動産株に対して不安視されてきました。

ただ、不動産の販売状況は好調で、
特に外国人投資家がこぞって日本の不動産を買いあさっており、
不動産価格も上昇し続けています。

またここ最近の不動産企業の決算を見ても、
仮に今後YCCの修正や撤廃等が起きても、
それ以上に不動産投資家の買い需要が旺盛で、
金利の上昇以上の利益をもたらしてくれる予想を出している企業が
多いです。

ということで、今回取り上げた銘柄以外でも、
不動産セクターは注目したいと考えています。

繰り返しになりますが、
自分が良いと思った銘柄を買っても、
株式相場では失敗することが多いです。

そうではなくて、他の投資家がどんな銘柄を買うだろうという
視点で銘柄選択をしていった方が、
より上手くいきやすくなります。

自分も散々失敗したことがありましたので、
ぜひ、今回の記事で何か投資のヒントになれれば幸いです。

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