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遺書No.5 予告なき神(紙)の悪戯。

※この記事は2004年7月6日から2009年7月5までの5年間毎日記録していた「遺書」の1ページを抜粋して転載したものです。

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2004.7.10
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ある日の昼下がり。
仕事で移動する為に電車を利用中。

突然覚えのない激痛が私を攻め立ててくる・・・。


――やばい、下痢だ!


そう、鈍く、モヤモヤとした嫌な痛み。
そして直後に訪れる下腹部への終末的な痛みの波ッ!!

マズイ!これはシャレにならんぞ!?
どうする私!
途中で降りるか!?
否っ!

今時ホームにトイレのある駅など限られている!!
しかも、目的の駅まであと3駅だ‼
ここで降りては時間的にも厳しい!
次の仕事を考えれば、我慢するべきか否か!?

ダメだ!

変な汗がでてくる!
降りろ!降りるんだ!
優先順位を考えるんだ私!
分別ある大人としてまさか大先生を漏らす訳にもいくまい!
仕事の遅刻よりも重要な案件だ!!!!

しかし!
く、くるしい・・・。

果たして使い馴れない駅のトイレの場所も定かではない!
これは恥を忍んで駅員か誰かに尋ねるしかない!

「別に大便を漏らしそうとか、苦しい状況ではないですよ?」

そんな不必要な見栄を張った中途半端な演技を混ぜつつ、
駅員にトイレの場所を確認し、
不気味なほどに不自然な姿勢で足早に移動するんだ!!

あった!!
もう少しだ。ダメだ、いや大丈夫、ダメだ!!

いいから、ゆっくり急ぐんだッ!!

穏やかに、腸に刺激を与えずに、かつ速やかに駆け込め!!


嗚呼・・・トイレだ・・・救われる・・・ん?

なん・・だと・・っ!!?


紙が別売り!?


ぐぁ!!
トイレを発見した悦びで緊張の糸が切れてしまった><

もはや紙を買う余裕などない!
どうする!
どうする俺!?
ダメだ!
思考がまとまらない!!!
てゆかそんな余裕はもうない!!

・・・まず、出すんだ!

駆け込み、要を足す・・・。
思わず安堵のタメイキがでる。。

しかし、まだ事態は解決していない。
紙はどうする・・?
むしろこれはこれで大ピンチだ!


―――その時。


「あっ!」


僥倖、というしかない。

水洗タンクの上に、
別の先客が利用したポケットティッシュがあるではないか...ッ!!!

・・・これが、幸せというヤツか・・・。


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2021.9.2
遺書を書き始めて5日目の遺書の投稿内容。
長すぎる遺書にあって、最初のドキュメンタリーver。
ちなみに、当該下車駅は、おそらく水道橋駅だった記憶あり。


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。